
日工会の役員体制(右から4人目坂元新会長)
日本工作機械工業会、日本機械工具工業会、日本工作機械輸入協会・・・5月から6月にかけて、生産財業界団体の総会も開催ラッシュを迎えた。人事面の変化では、たとえば日工会会長に芝浦機械の坂元社長、創立10周年の節目を迎えた工具工業会会長に住友電工の佐橋常務がそれぞれ就任し、新たな顔として運営に参画していくことになる。
トランプ大統領による追加関税の動向を指摘するまでもなく、先行き不透明感を醸成する要因はいくらでも挙げられるだろう。特に主食のコメを巡る話題に事欠かないという事態は前代未聞であり、価格の高止まりや量の不安定さはいつまで続くのか。年金だけで食べていけなくなって久しいが、どのような老後を描いていけばいいのか、誰しもが不安を感じ、思い悩んでいると思う。
若い時は、先行きが不透明だからこそ面白い、わかっていたら何の興味も湧いてこないと思っていたものだが、加齢は安定を求めるのか、混沌とした事態は避けたくなってきている。
6月も間もなく終わり、2025年も後半に突入していく。前半を振り返ると、私事で(小紙のことで)恐縮だが、数字以上にメンタル面というか、充実した日々は送れてきただろうかと反省することしきりで、何となく目標の喪失と関係しているように思ったりする。
でも、落ち着いて考えてみると、喪失は言い過ぎだろう。目標はあるが「ルーチーン化」して、新鮮さがないと言うべきか。発想が硬直し、柔軟性に欠け、アイディアにも事欠いて、思考ばかりか、行動においても、同じような円を描いているようで、半径が広がらない。
後半に向けては、立ち止まって考える機会を意識的に作っていこうと思う。漠然と思い巡らすのではなく、考え抜く経験を持つこと、安易な答えは拒否すること・・・欠けていたのはこれらの積み重ねではなかったか。立ち止まってこそ、見えてくる世界が必ず、ある。
稲葉相談役は、会長を退くにあたって、日本の製造現場で活躍する機械が古すぎると指摘した。世界と競争していくには、最新鋭の機械を導入し、駆使していくことが必要不可欠と訴えた。同調する人は多いはずだ。