
連日、人で溢れ返る
4日間で7万7千人を超える集客を見たメカトロテック。全国レベルではなく、愛知、岐阜、三重の3県を中心とした来場者総数にも驚かされるが、評価の最大のポイントは「現場の人が多い」に尽きるだろう。ワークを携えての相談ごと、加工における具体的な悩みごと、出展製品への具体的な感想や質問、意見といった実質的な議論が中心となって、出展者にとっては「次なる開発テーマ、期待される営業活動」へのヒントが伴ってくるからだ。メカトロテック閉幕後、出展各社はフォローをどのように展開するか、試行錯誤しつつ、実践しているに違いない。
小紙では今回「総括メカトロテック」を意識し、限られた範囲内ながら、各ブースにお邪魔し、来場者からの手応えを探り、各社のイチオシ製品や訴求内容を紙面化してみた。参考にして頂きたい。
翌週の10月29日には、日本機械工具工業会(JTA)の秋季総会が岐阜県高山市のホテルで開催された。事務局の話では、当初の予想を超えた参加者だったようだが、当日は秋晴れに恵まれたこともあって、高山の街は、海外からの観光客で大いに賑わっており、日本人は?という目線もご愛敬だろうかと思ってしまった。
総会では中国によるタングステンの輸出規制の影響で相場が2倍近く上昇しており、今後、どのように調達していくか、議論の焦点となった。この間の市況の推移を勘案した、2025年度の生産額見通しは、前年同期比101・7%の4802億円。6月当初の4840億円から下方修正した形となる。
翌日の30日には、和井田製作所の工場見学会が催され(2面参照)、キサゲに代表される擦り合わせ技術をはじめ、ナノレベルへの対応、デジタル化、自動化を通じた人手不足への貢献、さらには品質・温度管理などの現状に触れる貴重な機会を得た。
11月も下旬に入り、2025年も、師走を残すのみとなってきた。実質的な活動期間は1カ月もないが、自動化、ロボット化というテーマで、12月3日から国際ロボット展が東京ビックサイトで開催される。パブリックの展示会では、今年のトリを務めることになろう。人手不足は常に需要の源泉であり、その対応を巡っては、商機に繋がる。訪問しない選択肢はないと思う。筆者も3日、4日は顔を出す予定にしている。