7月にベトナム事務所開設し、ベトナム人スタッフの成長に期待する石川工具研磨製作所
ベトナム人スタッフのグエン・ヴァン・フンさん
石川工具研磨製作所は、7月にもベトナム事務所(ハノイ)を開設し、従来から取引のある現地日系企業のフォロー強化を追求する一方、新たな需要をも取り込んでいく。
石川直明社長は「当社の技能実習生の第一期生がハノイ出身。活躍の場を整えることを考慮したことはもちろん、今後、ベトナム人同士で、従来からの顧客と、より関係が深まっていけば、売り上げにおいても期待ができると考えた。ドリル、リーマなど、穴あけを主体とする新作を中心に受注の柱を立てていきたい」と営業所開設の意義を語る。
ハノイという地の利は、既存の顧客が活動しているだけでなく、日系大手企業が集積している点も魅力と考える。
立ち上げ期間は、石川社長と杉本専務の2人でサポートしていくことになると言う。
ベトナム人技能実習生は、3年前からスタートし、現在3期生が現場で技術研鑽を積んでいる。ベトナムでの今後の受注拡大において「絵を描いていく下地」が整っている、と言えそうだ。
話は変わるが、会社全体の今年の推移については、5月連休明けの一時期を除けば、昨年来の好調さが持続しており、今期をどのように占えるかは「6月、7月が判断のタイミング。新規の顧客からになるが、思い描いている新作の受注が達成できれば、この分野で10%以上伸ばすことができるからだ」と言う。
だが、目先の数字を追うことだけが運営ではない。
「昨年までに設備投資が一段落したことで、生産能力のアップと言う点では、その習熟と活用に重点が移った。トータルに内部の体制を固めていくということになるが、中間管理者を中心に人材が育ってくるなか、その強化が今期以降の大きな課題になっている。46人のスタッフを抱えているが、更なる増員で当社の『基盤』をより強固なものにしていきたい」。
石川直明社長