ワルタークラブ総会。工具市場が拡大し、情報交換の大切さ増す。

ワルターエワーグジャパン株式会社

ワルターエワーグジャパン株式会社

井元英裕社長(ロロマチックブースで)

池田潤ワルターエワーグ副社長が初参加

本紙は「ベトナムのポテンシャル」で講演

ワルタークラブ総会(会長・澤田秀司シー・ケィ・ケー社長)が5月20日、名古屋市内のホテルで開催され、前年度の事業・会計報告及び今年度の事業・会計計画について審議するとともに、ワルターエワーグジャパンの中澤武吉営業課長による「切削工具製造分野におけるレーザーアブレーション最新技術との統合」をテーマとする新技術紹介、本紙による「検証・ベトナムのポテンシャル」と題した特別講演などが行われた。

会員39社を代表して挨拶に立った澤田会長(代理)は「工具市場の拡大が見込める状況にあると思う。チャンスが大きい中、会員相互の交流、意見交換が、従来よりも増している」として、更なる会の発展を期待した。

3月1日に入社、今回の総会初参加となったワルターエワーグジャパンの池田潤副社長からは「1カ月余の欧州での研修を経て、4月半ばから日本での活動を開始した。前職は、ワルター、エワーグも属するUGGの上部組織であるケルバーグループのタバコ部門、ハウニ・ジャパンに在籍、およそ8年間、営業部長として活動した」との自己紹介のあと「この間、参加した会合で、従来の経済学では理解しえない動きが見られ、それは金融緩和などから派生する投機的思惑により、実体経済の20倍のスケールで日本が動いているからだ、との話しがあった」「我々はものづくりを通して、誰にでも分かるかたちで、実体経済に関与・貢献している。横の繋がりを重視したこの会に、今後、積極的に関わっていければ」と結んだ。

中澤課長の講演では、UGGという研削部門全体の紹介が冒頭であり、全世界で2300人が働き、24拠点を擁し、売り上げではおよそ768億円という指標に触れた。

そのうえで「エワーグが、レーザー加工に注力している大きな理由は、ここ10年で、ダイヤモンド、CBNの需要が急速に拡大するなか、エワーグの提供するピコパルスレーザーが、熱を被削材に与えずに加工できるほか、3Dモデルによって金型製作が不要になり、工具製造までの時間が相当短縮できるメリットなどを享受して頂きたいと考えるからだ」とダイヤモンド工具の現況と今後の動向を踏まえた提案を行った。

さらに「レーザーラインウルトラに搭載した新ソフトによって、レーザーで初めてスパイラル形状ができるようになった」ことで、需要拡大が予想される小径のPCD工具づくりへのレーザーの領域が拡大した利点は大きい、とも語った。

本紙は、今年度のアジア研究会で決まったベトナム訪問を前に「ベトナムのポテンシャル」で講演。

年々、増え続けるベトナム人の訪日は、今年4月で3万4000人を突破、単月で過去最高を記録して「親日」色が伺えるなか、日本企業の投資も着実に増加、進出企業では昨年までに1451社に上っていると報告。

「とくに新車販売が昨年は55・2パーセント拡大し24万5千台に到達。一方で、高炉プロジェクトが進み、今年中に年産700トンの鉄の生産が開始されるのに伴い、自動車鋼板の生産も具体化に動き出した」として、ベトナムでの自動車生産に弾みをつける状況を概観した。

ワルタークラブ総会も、今回で11回目を数え、参加者から、「年輪が刻まれてきたね」との声も寄せられた。

4月にDAIKO TOOLに社名変更した木場社長が中締めで挨拶

総会で挨拶する池田潤副社長