「数字の積み上げには新製品の貢献が欠かせない」-イワタツール 碌々産業×イワタツールコラボレーションセミナーも開催

株式会社イワタツール

株式会社イワタツール

岩田イワタツール社長(中央)と碌々産業の矢野さん(左)、杉山さん(右)

  •  高硬度材への穴あけ加工などを網羅した碌々産業とのコラボレーションセミナー(オンライン)を織り交ぜながら、最近の動向を岩田社長にズーム取材した。

 

 

  •  今期がスタートして、間もなく3カ月が過ぎようとしている。
  •  「4月は良かったが、5月は落ち込んだ。代理店からの配慮もあり、先行的に発注頂いた、その上に、需要の落ち込みが重なり、荷動きが鈍くなって、新たな受注に結び付きにくいのでは?と考えている。詳細に見れば、景況の不透明感が払しょくできていないのが根本にあると思う」。
  •  流通対応では、タブレットを通じて、販売店とユーザーの技術的フォローをオンラインで展開していく計画がすでに発表されているが「流通の方々から評価頂いている。補助金の活用を念頭に、今後、進めていきたい」意向だ。
  •  2021年の目標について岩田社長は「2019年レベルを目指していきたい。足元がまだ、覚束ないなかでは、『SPセンターZERO』『トグロンマルチチャンファー』といった新製品のアピールも欠かせないばかりか、他社にはないコンセプトを具体化した新製品の市場投入も重要になってくる」との構想にも触れた。
  •  碌々産業は、今や微細加工機のリーディングカンパニーを標榜する有力企業であり、イワタツールとの関係は微細加工機の先陣を切った「MEGA」に必要な位置決め工具の開発依頼を受けたことに始まる。以来、20年に及ぶ付き合いになると言う。
  •  碌々産業の微細加工機のラインナップは「MEGAのストローク拡大としてCEGA、そしてVision。高精度の流れとしてAndroid、P12-C genesis」で構成され、一方、イワタツールは「3000種類と言われるドリルのなかで、製作可能なのは1000種類、得意とするのは20種類、そして2種類は世界トップの水準にある」との両者の概要の説明が冒頭でなされた。
  •  本題では高硬度材への穴あけ加工が、ポイントのひとつとなった。
  •  碌々産業では「主軸への発熱を抑えた熱変位対策で実加工精度を追求(超精密)、3万回転から6万回転といった高回転に伴い、柔軟に送り速度が上げられるよう配慮(高速)、主軸の動的振れにほとんど変化なし-(極小径)」を具体化して対応。
  •  高硬度材と言えば、焼き入れ鋼を挙げられようが、イワタツールでは、トグロンハード(ロング)ドリルが、高硬度材加工の、いわば代名詞。
  •  セミナーでは、エジェクタピン穴のドリル加工のメリットとして「焼き入れ材に穴加工することで、熱処理、ワイヤカット工程を省略し、工程集約によるリードタイム短縮、精度でも穴精度H7が可能」という大きな「副産物」が指摘された。
  •  高硬度材等の小径高精度穴あけ加工への対応に一歩踏み込むと、機械側では①ステップ動作時の発熱抑制②軽量なヘッド&主軸が求められ、工具側では、①工具の組み合わせ②加工手順の最適化-の追求が肝要とされ、イワタツールでは「トグロンハードSPとトグロンハード(ロング)ドリルをセットで使用することをお勧めしたい。穴の精度、曲がりの問題点も解決される」と訴えた。
  •  微細精密な穴加工では、使用環境の温度管理も重要であることは改めて指摘するまでもないだろう。

 

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トグロンハードロングドリルを使った貫通穴の事例

トグロンハードロングドリルを使った貫通穴の事例

 

ドリル加工でリードタイム短縮

ドリル加工でリードタイム短縮

 

岩田社長

岩田社長

 

碌々産業の4位一体の取り組み

碌々産業の4位一体の取り組み