和井田製作所・久保副社長登場。来期はEMOショーで、ハースとの「連携」に注力。海外シェアアップが、成長のカギに。
久保副社長
- 和井田製作所大阪営業所に和井田光生社長、久保朝義副社長を訪ね、昨年開かれたJIMTOFの反応をはじめ、2017年の市況予測や抱負について聞いてみた。
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- 「昨年は、実体経済は悪くなかったが、設備投資が進まなかった。不安定な為替に対する警戒感が設備投資マインドに影響したように思う」と振り返る和井田社長。
- もっとも、「夏頃には底を打ち、JIMTOFを機に潮目が変わってきた」という。
- 前回と比べ来場者のみならず、商談や引き合い件数も増加したそうで、「これまで控えていた設備の更新が進んだように思う」。そして、「IOT、インダストリー4・0などによる生産革新を見据えたFANUCのAI実装プラットフォームシステム他、生産性を向上させる製品が多数あり、それが更新の追い風となった」と、久保副社長は付け加えた。
- JIMTOFでは、新製品の全自動プロファイル研削盤「iPG‐X」、インサート外周研削盤「APX‐105」を出展。「テーブルを自動化したプロファイル研削盤にも関心が集まった。段取り替え時間の短縮に配慮したものだが、予想以上に反響があり、ユーザーの関心事を更に知ることにも通じた」そうだ。まさに「高精度研削のさらなる自動化」がヒットとした形だ。
- ブースへの来場者は、国内の顧客が中心となったが、受注という面では、海外も増加。
- 「中国の金型業からプロファイル研削盤、ジグ研削盤の受注があった」。為替の影響からか、中国への輸出が良くなってきているという声も聞くという。
- 中期計画の初年度にあたる来年度は、これまで掲げてきた『グローバルニッチトップ』戦略をさらに推進する。
- 「昨年、培った技術、新製品をいかに提案していけるか。国内のマーケットだけでは目を見張る成長は困難。伸びしろとしては、海外マーケットが大きく、海外でのシェアアップが成長の肝となる」と、語る。とはいえ、「目標を掲げても人がついてこなければ実現できない」と、和井田社長は強調する。
- 「社内での新年の挨拶でも述べたが、当社は『人にやさしい会社』を目指している。会社は人が財産。ゆえに、皆が笑顔で前進していける会社にしていかなければならない」。さらに、「これは当社の伝統でもある」という。
- 昨年、設立70周年(創業84年)を迎えた同社は、戦前、徒弟工養成学校を東京と高山で開き熟練工を育成してきた。この流れは現在でも受け継がれ、「現場では、先輩が後輩をマンツーマンで指導し、『全員がプロフェッショナルに』を目指している」という。この伝統が20~30年と使える機械を生み出し、ひいてはグローバルニッチトップへとつながる。
- 今年は、米国やEUの政情が業界にどう影響するか不透明なところがあるとしつつ、「昨年よりも良いという話を客先で聞く。当社もこの風に乗らなければならない」と語る。UMモールドの後は、台湾の展示会やハース社と提携してのEMOへの出展なども予定されている。
- まずは、昨年投入した新製品の拡販を図って行く。