昭和電機のトップに就任した柏木健作社長のキーワードは「特別扱い」。できる人、外国人、女性、新人
スタッフからの意見を吸い上げ、自らの考えを述べる柏木社長
- 今年の1月1日付で柏木健作営業本部長が社長に就任した。営業責任者は兼任で継続する。
- 「およそ2カ月が経過するなか、視点が増えてきたことで、問題ないと思っていた領域の課題が見え始めた。その結果、社員に蓄積されているノウハウが、狭い領域にしか機能していないと感じるようになってきた」そうだ。
- 2016年は、ターニングポイントになった。
- 「買う身になって親切に」という昭和電機の社訓があるが、柏木社長の社内評のひとつの「顧客のニーズを汲み取るのが非常にうまい」という言葉と重ね合わせると、社の意向(社訓)を実践してきた、当然の帰結と受け止める人も多いかと思う。一例を挙げると、ニーズとして発生してきた、既存商品を組み合わせ、ユニット化しての販売を指摘できる。2016年から本格化してきた。
- ミストレーサに即せば、20年分の技術を集大成した「CRMタイプ」に、セミオーダー制が採用されるようになってきた。
- また「何かあった時の顧客対応力」は、業界最速を自負している。
- 昭和電機の、この間の成長について確認するたびに「海外の取り組み強化は、抜きにできない。もし、海外に出ていなかったら『ぞっとする』」と、柏木社長から聞いたことがある。タイ現地法人設立から5年が経過した。海外を意識しているという点では、カタログも13言語用意されている。
- 海外の重要性について「話をゲームに例えると、国内は大半のゲームそのものが後半、または完結。海外は、まだゲーム中盤で、浸透度が高まってくるにつれ、その成果、作り上げた人脈によって、国内を深掘りしていくチャンスが発生してくる。海外での実績が、国内市場を改めて揺り動かし、ゲームが再開するとでも言おうか」。
- 大東本社は、女性の姿が目立つようになってきた。柏木社長によれば、今後は社内外に「特別扱い」を行っていくそうで、キーになるのが「(仕事が)できる人」「外国人」「女性」それと「新人」だと言う。
- 「女性の登用の進展によって、実績を積み上げてきた女性スタッフ、その成長ぶりが実感でき、マネージャーに起用するようになってきた。また、今春には新人ベトナム人男女各1人が入ってくるが、そのうち、1人は外国人初の、技術分野への配属を考えている」。
- 因みに外国人は全社員の5%を占めるまでになっている。
- 「特別扱い」の延長線上と言えるかも知れないが、「昭和電機の国内主力ディーラーは70社に絞り込み特別扱いする。単なる現状の取り扱い額ではなく、TOP同士がお互い何を考えているか、お互い特別扱い出来るかどうかを基準に選択した。相互に信頼し合える関係を深めていければ、結果は(自ずと)出せるはず」。
- 話を変え、昭和電機の「強み」と「弱み」について、意見を求めると「強みは、弱みを知らないことであり、弱みは、強みを知らないこと」という答えが返ってきた。
- 抽象的故に各人の経験に照らして、その言わんとする内容に違いが出てこようが、筆者の考えでは、弱みを知らなければ、既成の考えに拘泥しないし、その分、アグレッシブな対応が取れる。強みを知らなければ、そこをベースにどのように伸ばしていけばいいか、逡巡する場面が多い、との理解になる。
- 柏木社長に今年の市況感を聞くのは愚問だろう。「自ら動けば自ずと結果は付いてくる」との即答は必至だからだ。
会議では自由に考えを述べあう雰囲気が漂う