研磨工程の強化図ったミヤナガ(岐阜・各務原)。岡本工作機械製内面研削盤 「IGM15NCⅢ-2B」を導入
宮永社長
- ミヤナガは、御年80歳で、今も現役で活躍する宮永恒良会長が、1968年に大型ミシンの修理・部品加工で創業した。
- 子息で1988年に入社した2代目宮永恒治社長は「宮崎で育った会長が、この岐阜で部品加工会社に職を得て、技術を身に付け27歳で独立。当時の価格で97万円のたった1台の旋盤からスタートした。今では、ヤマザキマザックやオークマの工作機械のドローチューブやソケットといった軸モノ部品や治工具などの精密部品を扱うようになった」と語る。
- 工作機械の軸モノは、1本、2本の受注が多く、真円度の公差の厳しいものも含まれている。
- 顧客にも配慮しながら、ものづくり補助金を活用した設備投資も積極的に展開しており、これまでにヤマザキマザックのインテグレックスやキーエンスの3次元測定機、オークマの円筒研削盤、そして今年に入って、岡本工作機械製のCNC内面研削盤「IGM15NCⅢ-2B」の導入に至った。
- 宮永社長は「工作機械業界では、商流に変化が起きつつあり、これまで技術に見合った加工業者に発注していたが、短納期化、高品質ニーズへの対応に伴い、一部の加工業者にまとめて発注することで、事務コストを削減する傾向が顕著になってきた。当社では、得意としてきた旋削、フライス加工ばかりか、円筒、平面に加え、内面研磨できる内端面研削盤の導入により、内製化し、研磨加工を強化。最終工程である、すべての研磨加工に一貫対応していくことで、受注や納期での優位性、さらに利益面での確保を目指していくことにした」と導入の背景を説明する。
- 付け加えになるが、周辺で研磨加工ができる企業が限られていることから、研磨の受託加工にも今後は、注力していくそうだ。
- CNC精密内面研削盤「IGM15NCⅢ-2B」は、昨年3月に発売を開始。2軸のといし軸の単独駆動が可能となり、内研、外研をワンチャッキングでこなす「1台2役」の魅力も。従来機と比較して、加工ワークサイズの大径化も狙える。さらに総取り代と、といし情報を入力するだけで自動的に加工条件の決定が可能となる。
- 「今後、当社がこの岡本製の内端面研削盤を駆使し、内径研磨加工の技術集積を図っていくことで、ほぼすべての加工が社内で一貫して行えるメリットを発揮していきたい」との期待を宮永社長は抱く。自社管理による高品質加工、内製化によるリードタイム短縮・・・導入効果を今後、いかに発揮していくか。期待していきたいところだ。
フェラチューブの加工も
導入された「IGM15NCⅢ-2B」。 研磨工程の強化を通じて、受注や納期での優位性を追求していく
得意とするソケットの加工