「特殊工具の再研磨、新作工具製造強化に努めたい」—鷹野高栄研磨社長 米国製トランザーフィルターは「製作工具の濾過能力」を意識して導入
鷹野社長
- 牧野フライス精機の「C40」を導入し、工具の再研磨で起業したのが1975年。この間、仕事量の増大、人員の増強、設備の拡充・・・と着実に歩みを進めながら、15年前から、2代目となる鷹野普也社長が舵取り役を担ってきている。
- 鷹野社長は「コロナ禍の影響では昨年の5月、6月が底。9月からは回復局面を辿り、今年の4月時点で、売り上げベースでは前年比100%、受注ベースでは90%まで戻ってきている。2021年も、間もなく折り返していくが、後半も現状のまま、推移していくと予想している」と語る。
- ドリル、エンドミル、リーマ、タップ、カッターなど、再研磨は軸モノ中心。月産で28000本、数千本が製造モノ(新作工具)で占めると言う。
- 今後の志向という点では「特殊品の再研磨は、技術面での向上ばかりか、利益面でもメリットがあるため、導入設備含め、この分野で差別化できるよう、努めていきたい」との考えを抱く。
- 導入している工具研削盤設備と主な用途を概観していこう。
- 標準のドリル、エンドミルの再研磨は牧野フライス精機(13台)、その他のドリルは宇都宮製作所(3台)で対応する。小径ではロロマティック(段研含む2台)となり、そして、今後の方向性とも絡む特殊工具(新作)と特殊品の再研磨を担うのがワルター(8台)とANCA(3台)となるようだ。今年中に更新機としてのワルター(ミニパワー)、牧野フライス精機(DG30)の導入もすでに計画されている。
- 濾過機について鷹野社長は「20年前、ワルター機の導入と同時に初めて濾過機を現場にセットした。研削液がきれいになり、タンク内の掃除も楽になったことが懐かしく思い出されてくる」と振り返りつつも「リーマンショック後は、製作工具に注力していくことを決意した。そうなると、再研磨とはレベルの違う濾過能力が問われてくるようになり、ANCAの2台目(TX7)を設備した際、濾過能力で前評判の高かったトランザーフィルター製(V2)を導入。実際に稼働スタートすると、それまでの濾過能力との違いに驚いた」そうで「2019年には、実績の上に立って、ANCA3台目(TX7)のタイミングでV3を設備するに至った」と言う。
- 現在、ANCA機3台への対応として「V3」が稼働している(因みにV2は、ワルター機に付け替え、活用)。
- 「ANCA機1台の月間稼働時間はおよそ300時間にも及ぶが、研削液が常にきれいにキープされ、濾過能力の高さが引き続き、立証されている」のに加え、オプションで「スラッジを自動で回収する装置ドラッグアウトによって、まさにノーメンテを実現。スラッジを捨てるだけの手間となる」との利便性の高さにも言及する。 トランザーフィルター純正研削液も使用中 「四石としては粘度の低いトランザーフィルター純正研削液をトランザーとの組合せで使用中であり、再発注を考えているが、付帯的なサービスとして、タンクの清掃や取り換えも実施して頂けるとありがたい」との要望も。
スラッジを自動で回収する「ドラッグアウト」は非常に便利と称賛する
製作工具でも抜群の濾過能力を誇ると全幅の信頼が置かれている