YKTがロロマティック製「660XW」をメカトロテックで初公開。段研削と刃付け工程を1台に集約
日本では、メカトロテックで初公開された660XW
- 段研削と刃付けを1台の機械で行うロロマティックの「660XW」が、伊・ミラノで開催されたEMOショー(10月4日~9日)で初出展された。
- YKTの広報担当者は「日本の顧客向けには、ほぼ同時期の10月初旬にオンライン展示会で初披露。質問などのやり取りができる仕組みを準備させて頂く中で、一部の方にはご参加いただいたが、まさにメカトロテックが本邦初公開。期待の新製品との話題を準備させて頂いた」と語る。
- スペック的に捉えれば、外径0・1~12・7ミリ、全長150ミリの工具を対象に、エンドミルの段研、刃付け、首逃げや、ドリルの溝、先端部の研削をそれぞれ、一度セットするだけで行えると言う。
- 直動軸にリニアモータ、回転軸にDD(ダイレクトドライブ)モータを採用。内部冷却には研削油を用いている。また、C軸の回転数は段研削盤ShapeSmartと同じ3000回転で研削能力を確保している。
- 「非研削時間を極限まで短縮させていく。1台で2役と言う点では、エンドミルの製造に最適。通常、首逃げタイプのエンドミルを製造する場合、一般的には3台の機械を必要とするが、工程ごとの段取りや精度管理、中間在庫等を考慮すると、製造プロセス全体に占める機械加工の時間はわずか5%。一方、段取りが一回で済むワンクランプ全加工であれば生産性は87%まで向上する」と、工程集約による大幅なリードタイム短縮メリットを強調する。
- 特に中小規模のユーザーには、工程集約は生産性向上ばかりか、省人化メリットも大きいのではないか、との期待を寄せている。 5軸をコンパクトに納める技術の高さに加え、砥石チェンジャを機内に取り込み、省スペース化が図られている点でも注目される。材料を置くスペースにも余裕が生まれる。
- 「幅1・5m、奥行き1・8mのクラス最小所要床面積に、1360本の工具搭載本数と6セットの高速砥石チェンジャを備える。スピンドル最大搭載枚数4枚だ」。
- 通常2台分の所要床面積に3台設置の可能性が生まれてくるそうだ。
- 「メカトロテックでは、1台2役はまさに理想的との評価も頂いたが、今後、普及、浸透していく過程で、市場がさらに正確に評価してくれるものと思う」と展望する。
来場者からは熱心な質問が飛び交った.