上海に専門商社、秀凱精工設立-在中国大手メーカーに積極アプローチするCKK

シー・ケィ・ケー株式会社

シー・ケィ・ケー株式会社

澤田秀司社長

     中国では「販売強化元年」‐と位置付け、シー・ケィ・ケーは、中国ローカルの現地商社2社と組んで、上海に切削工具を主体とした専門商社「秀凱精工(上海)有限公司」を立ち上げた。

     澤田秀司社長は「8月に登記を完了した。自動車のラインを受け持つことのできるような専門家も採用し、エンジニアリング的力量が発揮できる商社を目指している。当面の陣容は20人規模。上海エリアを中心に、在中国大手ユーザーにアプローチしていく方針だ」との抱負を語る。

     最近の中国におけるものづくりの現場では、商社を介さずに直接メーカーと取引を行う傾向が顕著になってきており、メーカーが直接かかわる商社の存在が販路を拡大させていくうえで有効な手段となっている。

     「扱う商材は当社の製品のみならず、チャックやツーリングなどの工作機械周辺機器のほか、砥石、切削油といった副資材も対象になる。また、OEM供給についても、今後、具体化させていく方針だ」そうだ。

     中国市場では、景況について厳しさが継続しているとは言え、欧米系や台湾系の「輸出型」企業は、中国でも元気がある。

     「中国・大連工場は、移転・新築、増設により、生産能力が格段にアップし、コスト競争力がついてきたことで、営業強化の段階を迎えたと認識。当面は上海周辺の自動車メーカーやIT関連、エアコン関連の各ユーザーを深耕していき、売り上げ拡大を目指していくことになる」

     シー・ケィ・ケー本体は、8月決算であり、「区切り」を迎えた。

     澤田社長は「グループ各社の決算月に多少の違いはあるが、トータルの売り上げは、予定通りのおよそ32億円になる。前期が24億円。グループ全体で売り上げ数字が伸びたと言えるが、国内で目立ったのは、再研磨部門の伸び。1億円を超える」と言う。

     本社、山口両工場とも、再研磨ライン、製造ラインに分けられている。

     「量産、特殊、再研磨とオールラウンドにこなしながら、グループ全体の月産となると、エンドミル主体に20万本体制が構築できている。主な生産設備ではNC工具研削盤で70台以上、汎用機で80台以上になる」。

     主な設備を列挙すれば、ワルター、ロロマティック、アンカ、牧野フライス精機、和井田の各工具研削盤をはじめ、キルナー製砥石成形機、ゾラー製工具プリセッタ―、ニコンやミツトヨ、キーエンスといった各種測定機、さらにコーティング装置まで備える。

     今年3月にスタートした「沖縄工場」は、製造に特化している。

     「まだ、試運転に近い状態だが、量産志向の現場として、ロロマティック5台ほか、刃付けの機械などを設備している」。

     設立から5年が経過した貿易を含め商社として活動しているタイの拠点は、分母はまだまだ、としながらも、年率20%~30%の伸び。「ただ、市場は非常に限定されている」(澤田社長)。

     今期の予想では「国内は横ばい、中国は20%アップ、タイも20%を目指していく」計画だ。

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