販売テンポ速い欧州市場。急がれるフォロー体制確立に努める和井田製作所

株式会社和井田製作所

株式会社和井田製作所

比良営業部長

欧州出張を終えて日本に帰国したタイミングで比良営業部長に面談した。
 「2月、3月と連続して訪欧した。昨年の欧州拠点(独・フランクフルト)設立以来、受注が順調に推移しており、アフターサービス充実を含めた今後の方針について、顧客に説明してきた」。
 営業スタッフに加え、今5月よりサービスエンジニアを常駐させると言う。
 「機械を購入いただくことは20年以上のお付き合いが始まることを意味します」と比良部長。「欧州では販路拡大のテンポが速いうえ、ドイツを中心に裾野が広い。フォロー体制の確立が急がれたためサービスエンジニアの派遣を前倒しした」。
 和井田製作所では、およそ10年の歳月をかけてサービスの強化を実践してきており、再雇用スタッフを入れてすでに「30人体制」を構築している。
 欧州市場では「環境」「自動化」という、顧客の採るべき方向性が明確だそうで「その際、どういった引き出しが必要になるか、顧客の声をしっかりとヒアリングし、提案できればと思う」。
 海外では、「欧米市場を拡大」し、結果、中国市場の依存度を下げることを課題としているが、その方向性は見えきたと言う。
 一方、国内需要については「引き合いが着実に発生しており堅調に推移している」市況環境に対し、JIMTOFでは全4機種すべて新製品を出展、披露した。
 ブースでは、デジタルプロファイル研削盤「SPG-XV」、レンズ金型向けジグ研削盤「SJG-L1」、全自動インサート外周研削盤「APX-40」そして、溝入れインサート研削盤「DCG-G1」が揃い踏み。比良部長は「顧客の求める機能を形にできたかと思う」と各新製品を総括した。
 SPG-XVでは「最終工程を担うことから『スキルレス』に注力しつつ、「生産性の向上」を狙う。SJG-L1では「真円度0・3ミクロン未満の精度を追求」した。APX-40では「位相計測機構の採用など、さらなる自動化に対応」。DCG-G1では「高剛性プラスデジタル技術の採用」を具体化した。
 コロナ禍が継続するなかにあっても「対面のコミュニケーションが戻ってきた。その一方で、オンラインを通じて気軽に意見交換もできたりする。内容によって、組み合せていくことが大切になってきた」と語りつつ「2023年度は、心配事がないわけではないが、景況は悪くないと予想している。目標を設定し、やるべきことを確実に行動に移していくかが問われてくる」と比良部長はアグレッシブな姿勢を堅持する。

昨年のJIMTOFで来場者にアテンドする森下社長(左)
昨年のJIMTOFで来場者にアテンドする森下社長(左)