YKTトップに就任した柳社長インタビュー。昨年は過去最高ので売り上げ記録。次代の柱となる有力ツール発掘も鋭意。
柳社長
4月1日付でYKTのトップに就任した柳崇博社長を訪問し、現況の特徴や新たな動きを織り込んでもらいつつ、輸入商社としての将来展望を聞いてみた。
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YKTの前期の売り上げが過去最高を記録した。
「リモート定着によるパソコンの好調な売れ行きに支えられ、弊社の取り扱いで主柱を成す、パナソニック コネクトの実装機が中国市場でヒットした。その一方で、輸入機械で断トツのシェアを占めるロロマティックの工具研削盤の販売が過去最高を記録したのをはじめ、OGPのマルチセンサ測定機、リエロの継手加工用ロータリートランスファマシンなど他のメーカーの商材も堅調な売れ行きを示した。振り返れば嬉しい誤算とも言える結果となった」。
売上高を数字でなぞれば220億7900万円。社内シェアでは実装機61%、輸入機械関連16・5%、残りはその他の産業機械で占める。
「私自身が、長年、携わってきている輸入機械関連は生産財が中心。今後も、営業本部長を兼務しながら、購入して良かったと思って頂けるよう、サポート体制を常に意識していきたい」とアフターフォローへの配慮を改めて強調しつつ「特に弊社の輸入機械でメインとなる工具研削盤主体のロロマティックと非接触三次元測定機で評価の高いOGPは、開発投資の比重が高く、安心してお付き合いのできるメーカーだ。日本市場に対する期待も高く、たとえば、ロロマティックの開発のトップは6月にも来日して顧客を訪問する予定で、次代を創造していくニーズを汲み取っていきたい考えだ」と言う。
トピックスとなるが、ロロマティックに関しては、このほどジャパンが設立され、6月26日にはYKTとの共催による旗揚げが、活動拠点となる名古屋で挙行される計画。
「機械販売は従来通り、弊社が担っていき、ロロマティックジャパンは自動化システムを含むソフトウエアの支援に専念していく。大手ユーザーを中心に工場の自動化の推進がかねてから期待されていたからだ」。
因みに、6月の「旗揚げ」は身内中心に行い、対外的なセレモニーは今秋開催の予定だそうだ。
YKTは、来年2月には創業100周年と言う大きな節目を迎える。
「商社として、その先の50年を見据えていくためにも、実装機や工作機械関連といった、現状の『屋台骨』以外の有力ツールを発掘していければと思っている。時代、市場の要求するニーズに、商社としての立ち位置でいかに応えていけるか。真価が問われてくるかと思う」。
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柳社長は1959年、東京都生まれ。日本大学理工学部で機械工学を専攻し、1982年の卒業と同時に山本機械通商(現YKT)に入社。2014年に輸入機械販売部門の取締役第一営業本部長、2018年には常務に就任した。
2020年12月に完成を見たYKT本社。小田急線代々木八幡駅前の至便な立地だ