ロロマティックソリューションセンター開設。年内めどにオープニングセレモニー開催へ(YKT)
スイス本社から、ロロマティック幹部も来日し、内々の門出を祝った
今年1月にロロマティックジャパンが発足し、拠点となる「ロロマティックソリューションセンター」が開設された。ロロマティックユーザーに対するソフトウエアの習熟や自動化をサポートしていくのが狙い。機械販売とサービスを担うYKTの「後方支援部隊」とも位置付けられている。YKTの柳社長に面談し、ロロマティックジャパンとの連携を含めた、今後の方向性をヒアリングし、紙面化を図ることにした。
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ショールームを併設するロロマティックソリューションセンターは、愛知高速交通「長久手古戦場駅」から徒歩5分。1フロアおよそ800㎡の2階建てで、新築の倉庫を改良した。周辺には工具メーカーも多い。
「自動車の乗り入れも楽に行え、駐車場もゆったりと配置している。本格的な始動に向けた準備態勢が整ったことから、6月下旬には、ロロマティックのオーナーも来日して『身内』だけで拠点の開所を祝った。対外的なオープンセレモニーは年内を予定している。ジャパンのメンバーとして、日本人3人が常駐している」。
日本人スタッフは、現在、工具研削盤ソフトウエア「VG Pro」(Virtual Grind®Pro)の『指導ができるレベル』を目指すトレーニングを積んでいる。
「VG PRO」とは、軸物の標準工具や特殊工具ばかりか、インサートへの対応、タップ、医療・歯科用工具、CBN工具といった、幅広い工具種への展開、活用を可能とするソフトウエアパッケージで、ロロマティックの研削盤に、標準搭載され、機械耐用期間にわたり、無償でアップデートが可能となっている。
「従来から大手工具メーカーを中心に、自動化支援が求められていた。ロロマティックジャパンが専属的に顧客のソフトウエア活用をサポートし、自動化を促進していくことで、ロロマティックへの更なる評価の高まりに期待したいと思っている」。
ショールームには、工具研削盤「630XW」と、「660XW」と砥石成形盤「ProfileSmart」が常設されているほか、工具測定機クーラントも常備され「テスト加工体制」が整っている。
ロロマティックの販売の現況は、為替の影響で「下振れ」を余儀なくされているが「海外日系メーカーは横ばいをキープしており、地域で見れば、タイやインドネシアは、さほど落ち込んでいない。とは言え上半期は受注残に助けられた。下半期は厳しい予想を立てている」。
10月のメカトロテックでは、ロロマティック製660XWを展示する。段研削盤と工具研削盤の加工能力を一台に集約し、ブランク加工から刃付けまで一度のセットアップで全加工が可能。小径ロングドリル、バックテーパ付きドリルのワンクランプ加工、エンドミルの精密加工に最適。砥石・ノズルチェンジャ内蔵で幅1.5m、奥行き1.8mのクラス最小所要床面積。従来機と比較し、低コストとなっており、新たな需要を刺激していく場に設定している。
ソリューションセンターの外観
ソリューションセンター内には660XW、630XWはじめ、ドレス用のプロファイルスマート、測定器なども常設されている