メカトロテックで注目のLMガイド「SPH25」
THKが0・01ミクロンレベルの「超低ウェービング」を実現

THK株式会社

THK株式会社

下牧常務

メカトロテック会場で、下牧常務に面談し、今期の足取りと取り巻く環境について取材を試みた。

航空機のエンジン部門など、一部分野で需要が戻ってきているものの、自動機やロボット関連需要は弱含みで、全体として在庫調整を進めている最中だと言う。
「今期第4クォーターまでは、厳しさは伴うと思うが、来期以降は回復を期待できる諸条件が整ってくると予想している」。
今期を振り返れば、中国は、工作機械関連という切り口でも無視できない市場だった。
「昨年5月のロックダウン以降、景気の足を引っ張り、弊社に対する引き合いもトーンダウンしてきた。回復への糸口は、今春以降からで、EV化やソーラー需要が拡大し、中国景気も減速一辺倒から脱却。安堵する一方、半導体産業に見られるように、回復のテンポが半年から1年程度、遅れ、全体として未だに上昇傾向にはない」と判断する。
中国と並び海外で注目されるインド市場の動向はどうか。
「弊社は2021年インドに製造拠点を設立。11月からLMガイドの生産をスタートさせ、およそ2年が経過する中で、現状では、生産品目の拡大が課題に上ってきており、今後とも需要の広がりに期待が持てるようになってきている」。
先日、開催されたEMOショーでも、中国、インドからの来場が目立ったそうだ。
一方、国内については「門形などの大型の工作機械需要が活発に推移している。ただ、弊社国内工場の生産活性化の点では、小型工作機械の需要拡大に期待したいところだ」と語る。

メカトロテックでの注目製品では、0・01ミクロンレベルの「超低ウェービング」を実現したボールリテーナ入りLMガイド「SPH25」が披露された。
鈴木名古屋支店長は「8条列構造を採用しながらも、ISO規格に準拠した寸法を実現したLMガイドのため、設計が容易になる。弊社製品でベストセラーを記録する世界標準寸法SHS形と取り付け互換を可能としている」と、その特長を指摘しつつ「静圧案内レベルの高精度を実現し、ナノメートルオーダーの運動レベルが求められる分野においても対応可能」だそうだ。
高速ローラーリング「RT」も、要チェックだろう。
「高速旋回に適したローラー接触構造の採用で、発熱を抑制し、Dpw・N値300000を実現。複合加工機の回転テーブルの回転速度を高速化し、タクトタイム短縮の貢献していく」。
最後に取り上げたいのが、製造業向けIoTサービスOMNIedgeの第3弾となる「工具監視AIソリューション」。
欠損やチッピングによる不良の発生を防止し、工具寿命を最適化することで工具コストの削減にも繋がる。今年は今回のメカトロテックを含め、様々な展示会でアピールされた。

メカトロテック自社ブースの説明に当たる寺町社長
メカトロテック自社ブースの説明に当たる寺町社長

超低ウェービングを達成したLMガイドの「SPH25」
超低ウェービングを達成したLMガイドの「SPH25」

高速ローラーガイド「RT」
高速ローラーガイド「RT」