3Dプリンター活用したPCD工具登場、標準の切削工具販売に注力-コメートグループ
新製品ダイジェストを手に取って記念撮影に応じる春原守利社長
コメートグループの春原守利社長をJIMTOFブースに訪ね、この間の活動の変化や新たな動き、JIMTOFで見どころとなった製品群などを紹介してもらった。
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春原社長がコメートグループに入社、活動スタートさせたのが、昨年、2015年の7月になるそうだ。社長としては3代目に当たる。
「私が入社するまでは、マシニングセンタ用のU軸システムの販売が主体だったが、その後、標準の切削工具の販売に注力するようになっていった。従来はTAドリルが主体だったが、昨年からミーリングツール全般の拡販を全世界でスタート。また、工具メーカーでは異色だと思われるが、工程管理のモニタリングシステムの販売も手掛けるようになっている」と言う。
工具の販売に当たっては、流通を活用し、ことし2社が加わり、計4社が販売代理店となっている。
「新製品という括りでは、今回のJIMTOFにも出展している、3Dプリンターを活用した工具製作を披露、当社の新しい試みを紹介している」。
ことし9月のシュトゥットガルトで開催されたAMBで発表されたPCD工具が、これに該当する。
「積層技術を適用すれば、短納期対応ばかりか、刃数も多く取ることができ、クーラント穴の自由度も高くなる。メリットは数多い」。
切削工具を3Dプリンターで製作している実物を見るのは、筆者の経験では、マパールとコメートグループくらいになろうか。 ブースで配布されていた同社の新製品ダイジェスト版の「トップ」を飾っているのが3Dプリンターで製作されたPCD工具だ。
順にダイジェスト版をなぞっていこう。
ページをめくると、ミーリングでは、KOMET刃先交換式ミリングツール。
鋳鉄向き、深さ6・5ミリまで用、ヘリカル沈み・ランピング加工用の、それぞれのフェースミルほか、8コーナー仕様の高効率加工用に提案された幅広いラインナップが目を引いた。 続いてインサート式リーマ―、軽量構造を狙ったコンポジット加工用ツール。そしてインサート式ドリル。レーザー技術を適用したチップブレーカー付CVD―Dダイヤモンドインサートなどがダイジェスト版を飾っている。
「どれも拡販対象だが、特にインサート式リーマの販売に力を割いていきたいと考えている。径40ミリまでをターゲットにしたい」。
ブースでは初日から来場者が多かった。
「コメートグループで、私がJIMTOFに参加するのは初めてだが、手ごたえは掴んだ。出会った方からのご意見や質問、要望を取りまとめ、今後の飛躍へと繋げていきたい。我々コメートグループのミッションは『ツールズ プラス アイデアズ』。単に工具のご提供だけでなく、加工におけるトータルソリューションのご提供に心がけたい。日本の目標は3年以内に年商10億円。是非、ご協力を」と春原社長は訴えた。
積層技術を適用して製作されたPCD工具