受託コーティングサービス部門の再研・再コート分野が完全に復調。エリコンジャパンバルザース事業本部。
寺原プロダクトマネージャー
- エリコンジャパン・バルザース事業本部の寺原プロダクトマネージャーを訪ね、2022年の受託事業をどのように展開していくか、昨年を総括してもらいながらヒアリングを行い紙面化した。
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- 受託コーティングサービス部門は主に切削工具、金型、部品に分けられる。
- 「コロナ禍前の2019年と比較して、総じて90%以上戻っている。特に切削工具関連は2021年後半から回復が顕著で、足踏み状態が続いた新作工具分野が昨夏以降回復基調を辿り、再研・再コート需要に至っては、ほぼ、回復したと言っていいだろう」。
- 工具の受託コーティングでは、今や再研・再コート関連が55%、新作工具分野が45%の社内シェアとなり「今後の需要動向も、再研・再コート関連が増えてくるだろうと予測している」。
- また、金型分野ではPVD需要が高まってきて「新作工具分野を量的に上回ってきている」現状があると言う。
- 2021年を省みたとき、顧客への新たな提案として、忘れてはならないのが歯切り工具に特化した「primeGear(プライムギア)」だったかと思う。
- 「現場での加工条件や工具の摩耗状況を伺って、顧客からサンプルをお借りしてコンサルティング、その後コーティング前の刃先の処理を施していくサービスであり、現在、複数のお客様から引き合いを頂いている。日本市場で認知を得るまでには、2年、3年はかかるだろうと思う」。
- 工具の性能を引き出していく、より適したコーティングを実施していくための前処理=プライムギアには今後も要注目だろう。
- さて、2022年を展望してもらう場合、業界という括りでは「JIMTОF」開催に意識が向くのも当然だ。
- 「当社からは、金型分野向けの新膜を発表する計画。耐摩耗性をアップさせているのが特長で、負荷のかかる材料が増えてきている需要に対応した膜となる」。
- 金型の寿命アップにPVDコーティングを施していく流れは、この10年間で浸透してきたが「従来、金型向けは少なかったので、まだまだ、伸び代があると見ている。イニシャルコストは上がるかもしれないが、トータルで費用削減が狙えるメリットをアピールしていきたい」。
- インターモールド、日本ダイカスト会議・展示会展と複数の金型関連の展示会に出展して、浸透に努めていく。
- 切削工具分野では、水素フリーのDLC系コーティングの強化を図っていく方針だ。
- 「世界のマーケットで検証されている強みを活かしていく。自動車のEV化への対応ともなる」と言う。
primeGear活用により、工具寿命が50%アップ