ジヤトコツールの米国製トランザーフィルター評価「ノーメンテナンス」「きれいな研削液をキープ」

ジヤトコツール株式会社

ジヤトコツール株式会社

ワルター機3台に対応するV4.メンテナンスを気にしないで済むメリットが強調された

 

  • ジヤトコ以外の、いわゆる外販比率をいかに上げていくか‐この方針に沿ったジヤトコツールの成果を吟味したとき、前期は製造モノ、とりわけエンドミルの分野で大きく前進した(本紙第33号12面参照)。
  •  前製造部長でプロフェッショナルスタッフの谷口氏は「再研、製造双方に言えることだが、我々の基本スタンスは、高付加価値を志向していく中で、外販の売り上げを伸ばしていくことにある。個々人のスキルアップ追求は当然としても、ここ数年来、注力している最新鋭の機械の導入による、精度向上の手は緩めない」との思いを語る。
  •  先のエンドミルでは、ワルター製ヘリトロニックビジョン400Lの導入が「速さと精度」に貢献した。
  •  同時に、加工機本来の能力を「100%」引き出していくことも重要、との観点から導入されたのが、米国製トランザーフィルターの濾過装置であり、昨年2月に現場に据えられ、稼働スタートした。
  •  技術課の堀井氏は「1ミクロンまでのスラッジ除去が可能というメーカー保証が導入の決め手だった。再研と製造を担うワルター機3台にV4、製造主体のロロマティック機1台にV1という機種がそれぞれ対応する。1年半以上が経過したが、私自身の感想としては、メンテナンスを全く気にしなくていい点が大きなメリットと捉えている」。
  •  従来は、機械ごとに対応しており、濾過装置は計4台。3カ月に1回、濾布の交換に要する手間暇ばかりか、作業を中断せざるを得ない時間は無視できなかったようだ。 研削液の温度を保つオイルクーラーの機能も重要  「我々が受け入れたのは、オイルクーラーとのパッケージ提案で、V4に9kW2基、V1に9kW1基を付けた。クーラントの温度を一定に保たせることで、精度の安定化に直接、寄与する」点も重要のようだ。  現場を案内してもらい、担当する杉山和之リーダーに意見を求めると「研削液がとにかくきれい。スラッジが完全に除去されているのが実感できる」との感想を述べる。
  •  研削液がきれい→安定した機械稼働という図式の中で、工具の面粗度向上と時間短縮が図れると言う。  堀井氏によると「現在、再研8割、新作2割の比重だが、今後、新作比率の増加が予想できるだけに、(トランザーフィルターの)活躍の場がさらに広がっていく」と期待を寄せる。
  •  スラッジ除去の今後のテーマとしては、ミクロンからサブミクロンの世界をいかに展望していくか、だそうだ。
  •  「精度はもちろん、さらなる短納期対応が課題。勝負をかけていくつもりだ」との意欲とともに、締めくくった。

 

V1の横に立って撮影に応じてくれた杉山リーダー。「研削液がとにかく綺麗」と感想を寄せる

V1の横に立って撮影に応じてくれた杉山リーダー。「研削液がとにかく綺麗」と感想を寄せる

 

研削液の温度を保つ、オイルクーラーも重要と指摘する

研削液の温度を保つ、オイルクーラーも重要と指摘する