「プロダクティビティトロフィー2023」を開催したブラザー・スイスルーブ・ジャパン
6現場からの成功体験報告

ブラザー・スイスルーブ・ジャパン株式会社

ブラザー・スイスルーブ・ジャパン株式会社

ユーザー成功事例は、まさに価値観の共有に繋がる

ブラザー・スイスルーブ・ジャパンによる「プロダクティビティトロフィー2023」が10月17日、名古屋市内のホテルで開催された。2019年以来4年ぶりとなったが、スイス本社からパトリシオ・ヴィラードCSOも来日し①プロセスの安定性/工程の最適化②切削油の最適化③持続可能性/環境・安全④生産性の向上⑤トータルコスト削減⑥工具の最適化-の各部門で優秀な成果を修めた各社が表彰された。
 冒頭、挨拶に立ったヴィラードCSOは「より良い結果を願って、生産性の向上、付加価値の創造などに取り組んでいくことは、社会全体を大切に思う気持ちに通じる」と語る一方「(プロダクティビティトロフィーは)価値ある成功体験の共有のために実施してきた。世界情勢が困難に直面している今、ともに成功を勝ち取り、協業していくことが以前にも増して大切になっていると考えている」と開催の意義を確認した。

 プロセスの安定性/工程の最適化で成果を挙げたのは、名古屋市内で自動車や電子機器部門をはじめとした精密部品加工に取り組む中部精機製作所。刃具の焦げ付きで悩んでいた。活用されたのはブラソミルGT22。
 「刃具の状態確認は、切粉の形状での判断になるが、従来の油で綺麗な状態が保てるのは、せいぜい500個まで。ブラソミルGT22では、5倍以上の2700個まで、綺麗で安定した切粉が確認できるようになった」ほか「不良品に繋がるようなべたつきがなく、タンクの手入れの時間短縮効果も大きい」と言う。
 切削油の最適化で表彰されたのは、アサヒプレシジョン。新潟・長岡市を拠点に、切削・研削による精密部品加工を手掛ける。メインとなる大手電機メーカーとは、新商品開発段階から関わることも多い。従来、切削油の劣化に悩んでいた問題意識を起点に、新たな加工油を模索。長年、付き合いのある商社からブラザー・スイスルーブが紹介されたようだ。
 「アルミ合金の腐食への対応として、低発泡性で高圧クーラントシステムにも対応するB-CoolMC660を採用。腐食の減少に繋がるとともに、油の全交換も年に二回から一回に減少した」メリットも享受した。
 持続可能性/環境・安全のテーマで改善が図れたのは、富山県・南砺市に本社工場を擁する日嶋精型。プラスチック射出成形用金型の設計、製作、メンテナンスに取り組む。
 「従業員の手荒れ、工場内の腐敗臭など、工場の環境改善に、臭いが弱く、皮膚への影響も少ないシナジー735、潤滑性に優れ、鉱物油よりも皮膚にやさしいバスコミル10の推奨によりチョイス。3年前に切り替えて以来、手荒れ、臭気に悩まされなくなり、特にシナジー735は、透明で汚れが目立たず、機械の手入れが容易になったメリットもある」。
 生産性の向上では「自動化と省力化」を追求する村田機械「最大の生産・開発拠点」の犬山事業所が選ばれた。
 「弊社の各工場に部品を供給している生産拠点で、工作部でクーラントを切り替えたのは初の試み。肌への影響が少なく、加工品質の向上も期待できるシナジー735、手荒れの改善とクーラントのランニングコスト削減を期待して、B-CoolMC610をそれぞれテスト導入した」。
 手荒れの改善はじめ、ランニングコストも3分の2ほど下がったという結果に。また、B-CoolMC610は、サラサラとした性状のため、掃除がしやすく、後処理も楽になったようだ。
 トータルコスト削減では、山口県・下関市で半導体製造装置や航空宇宙関連などの精密部品を扱う、ひびき精機が年間で数百万円単位のコスト削減を達成。しかも1年半、活用しているバスコ601は入れ替えなしを継続中だそうだ。
 「バスコ601の製品化前から、テスト加工に取り組み、ブラザー・スイスルーブ本社とも情報を共有した。現在、本社工場の工作機械20台で使用しているが、様々な加工に対応できるうえ、高精度加工に最適」との評価を下す。
 工具寿命と切削液の延長を模索していたマイクロカットが、工具の最適化で結果を出した。
 「信頼のおける取引商社から、シナジー735とブラソミルGT15を紹介され、医療関係機器の部品加工にシナジー735、半導体製造装置関連部品の加工でブラソミルGT15をそれぞれ採用した」ところ「シナジー735の効果として工具寿命の10%延長と、液寿命も平均6カ月から8カ月に伸び、ブラソミルGT15では加工時間の15%短縮。両製品とも、臭いや手荒れの問題も解消した」。
 今回は、以上6現場から「成功体験」が発表された。