ワルタージャパン・チェティン社長インタビュー
今秋の新製品は「溝入れ加工用チップ素材」-最高の耐摩耗性を獲得

ワルタージャパン株式会社

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チェティン社長

25歳で大学院生として来日し、以来、23年間、日本で生活しているチェティン社長。ワルタージャパンには今年の4月1日付で着任した。
 「ドクターコースを終え、放電加工機の設計に従事したが、長かったのは前職でもある自動車部品メーカー勤務。17年間、在籍した」。
 ドイツ生まれだが、子供時代に家族とともにトルコへ。大学まで過ごし、機械工学を専攻した。
 「これまでは工具を使う立場だったが、これからは工具を提供する立場に変わった。初めての業界だが、総会や交流会に参加させていただくなかで、皆様が長年にわたって工具に携わり、お互いにサポートし合っている仲の良い業界との印象を受けている。弊社の中では、強いチームワークを構築しつつ、マンパワーを強化させていければと思っている」。
 12月で49歳になると言う。
 ワルターグループでは、4月と10月に新製品をリリースしており、今回の訪問では、チェティン社長面談に加え、先日、リリースされた溝入れ加工用チップ材種に関する説明を江越セールス&マーケティングマネージャーから受けた。
 「リリースして5年間は新製品という位置づけで、販売比率の目標を全体の25%に置き、競争力の維持に努めている」と言う。
 タイガーテックゴールドの新たなTiAIN+TiSiN膜のコンビネーションにより、さらなる工具寿命の向上、高いプロセスの信頼性を獲得。
 「わかりやすく申し上げると、最高の耐摩耗性を手に入れたことになる。新しいTiSiN層により、コーティング硬度を更なる高みへと押し上げた。逃げ面摩耗、塑性変形に対する高い耐性能力を獲得するとともに、コーティング後の表面処理により靭性を高め、スムースなすくい面により低摩擦を実現している」。
 用途は、外径溝入れをはじめ、突っ切り、横引き旋削、倣い旋削、ミーリングでのスリット加工などを想定している。
 また、4月にリリースされた、新製品の2枚刃、3枚刃のソリッドドリルに、径の3倍から5倍の、L/D8以上のロングドリルが登場した。
 「深穴加工に対応するサイズバリエーションを豊富化した。日本市場におけるソリッド工具の浸透を加速させていきたい」。
 テクノロジーブランドとしてのタイガーテックゴールドは、第3世代に入っている。