相次いで国内外の医療・時計分野の展示会に出展する碌々スマートテクノロジー。
「(医療分野では)手術用ロボット、ダヴィンチの特許切れで需要拡大が予想されることへの期待は大きい」(矢野社長、海藤会長)

碌々スマートテクノロジー株式会社

碌々スマートテクノロジー株式会社

矢野社長

4月1日の入社式のタイミングで碌々スマートテクノロジー藤枝工場を訪問し、矢野社長、海藤会長にインタビューを実施した。

 2023年度は主要顧客層である半導体の在庫調整の長期化の影響が直撃した。
 「1年近くあった注残がなくなり、今は平均的なボリュームになってきた。納期についても同様で、今期は前半がまん、後半に期待といったイメージで臨んでいく」構えのようで、売り上げでは2020年度並みを想定している。
 製造においては、購入品の値上がりをいかに上手く作り込みに落とし込んでいくかを課題に設定。
「売価だけに頼るのではなく、加工工数や組付け工数など、トータルな検討を加えつつ、企業努力の成果を発揮していきたい」との考えを強調する。
 海外55、国内45の比重だが、需要層としては、半導体、電子機器金型に加え、時計や医療分野での深耕に注力していく。
 「需要としては、やはり半導体関連は大きく、メモリーの復活に期待しない訳にはいかない」とMEGAの訴求を念頭に置きつつ、半導体分野に照準を定めながらも「時計・医療の分野では、スイスで6月に開催予定のEPHJに今年も出展し、多数個取りなども視野に入れ、100分の1からミクロン台までの精度が要求される時計部品や検査装置などのメディカル製品に向けたアピールを展開していく」。
 医療と言う切り口では、国内展示会で目前に迫ってきた「メディカルメッセ2024」に初出展する。
 「18日から3日間、Aichi Sky Expo(愛知国際展示場)にユーザーと一緒に出展(コマ番号・F-03)することになった。小型化が進む手術用ロボットや検査装置などの需要動向を探っていく、マーケティング活動の一環でもあり、ブースでは手術用鉗子などのサンプル展示や血液を流す検査バイオチップの実加工を計画している」。
 出展機は前回のJIMTOFで披露したMEGA-Ⅶだ。
 同社が加盟する微細加工工業会も医療分野と関係してくる。手術用ロボットであるダヴィンチの特許が切れ、需要の拡大が予想されることへの期待も大きい。
 「今年はJIMTOF開催年であり、弊社としては、微細加工機の複合仕様を提案していく計画。ワンクランプ、ワンチャッキングで研削まで1台の機械でやり終えていく。乞うご期待」と矢野社長、海藤会長は締めくくった。


前回のJIMTOFで披露されたMEGA-Ⅶ。当時の海藤社長が先頭を切ってアピールした