イスカル本社訪問ツアー連載第三回

イスカルジャパン株式会社

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イスラエルと近隣諸国

イスカル本社訪問ツアー連載も最終となる連載第三回を迎え、10月号ではイスカル本社でのセミナーや工場見学を終えて、イスラエル国内の視察に移った2日間にフォーカス。現地で聞いたエピソードなども交えつつ、地中海に面したホテルでの宿泊、経済都市テルアビブ、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖地である「嘆きの壁」で有名なエルサレム、要塞として知られるマサダ、そして死海。最後には岡田代表にツアー全体を締めくくってもらった。

 イスラエルの空の玄関口、ベン・グリオン空港。イスラエル初代首相の名を冠した空港とは知らず、テルアビブ空港としか認識していなかったが、それ以上に、パスポートにスタンプが押されないこと、代わりに出入国カードが手渡されることを知って驚いた。パスポートにイスラエル出入国スタンプが押されていると、受け入れてもらえない国のことを想定しているのだとか。
 また、入国よりも出国時のチェックが厳しいことでも、他国との違いが浮き彫りに。「テロリストをイスラエルの地から決して出させない」との意思が働いているとのことだ。
 四国ほどの面積に人口960万人。経済都市テルアビブと聖地エルサレムにほとんどの住民が住む。南部はほぼ砂漠。イスカル社のあるテフェンは標高800メートルに位置し、日本の気候に近いと言われるが、訪問月である7月から9月までの夏季の間は、日本の方が湿度が高い分、断然暑く感じる。
 建国からわずか70年ではあるが、イスラエルでは、革新的技術を持った企業が数多く生まれ、かつてネタニヤフ首相は、企業の研究開発費R&Dの一人当たりの国際比較で韓国、日本を抑えて世界一位、世界で有数のIT関連企業がイスラエルに大きなR&Dセンターを持っていることなどを誇らしげに語っていたと言われる。
 また、イスラエルと言えば、スタートアップ企業設立の多さで注目されており、2011年から2018年で5313社の設立が見られたそうだ。因みに日本との経済関係では、2021年にイスラエルへの投資額が過去最高の29億4500万ドルに上り(ジェトロ)、2020年比でおよそ2・9倍に拡大。協業の深化を含め、経済関係強化の機運が急速に高まってきている。
 日常的な事例に目を落とせば、関税の高さから日本車は高く、2~3倍くらいはするそうだが、総じて自動車は高い。ガソリン代も日本以上と聞いた。
 岡田代表によれば、会社の優秀な働き手には、会社から自動車が貸与され、自由に使えるようになっているのが一般的とのこと。普通の家庭で車を乗り回すには、経済的にかなりの余裕が必要のようだ。
 食事は、あまり詳細を語れないのが残念だが、肉料理も地中海で採れる魚料理も大変美味しく、イスカル本社では、ビュッフェ形式の社員食堂にも案内して頂いた。夕陽のきれいなレストラン、地中海に面したレストランでは「異国」も味わえたと思う。
 エルサレムでは、世界から連日、数多くの外国人が訪れている。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教というそれぞれの一神教について、詳細を論じる資格は筆者にはないが、イエスキリストが、罪を問われ、尋問・拷問の後、自らが磔(はりつけ)される十字架を背負って、歩かされた道、ヴィア・ドロローサを案内されたが、信仰者でない筆者でも感慨深く歩いたことを今も思い出す。
 ローマ軍に追い詰められ、最後に残ったユダヤ人が籠城、自決した場所として知られるマサダ、地球上で最も低いマイナス430m地点にある死海。ともに南部の砂漠地帯に位置する暑いエリアだが、歴史に思いを馳せるには十二分に熱い名所と言える。
    ◆
 連載を終えるに当たって、改めて岡田代表を訪問し、話を伺った。
 「イスカルはもちろんIMCグループは、切削工具に特化した企業であり、バークシャー傘下となってからも、この経営スタイルにブレがない。ここに安定と安心を得ることができている」。
 また、「労働の創出→生活の安定→紛争解決→世界平和」という、創業者ステフ氏のビジョンについても改めて語ってくれた。
 岡田代表がもう一つ強調したのが『付加価値』について。
 「今は製品の優位性のみで顧客に対する有益性を発揮できる時代ではない。例えば、コロナ禍でも全世界に滞りなく、工具の安定供給ができた。これこそが我々の付加価値の一つだが、これが伝わっていないことが課題だ。今回ツアーにご参加頂いた皆様にさえ、イスカルの付加価値が十分に伝えられていないと考えている。会社として提供する『付加価値』にセールスマンの『付加価値』を合わせた提案ができる仕組みづくりを行っていく」。

「マサダ」※ヘブライ語で要塞の意味
「マサダ」※ヘブライ語で要塞の意味

夕陽の美しさに、立ち止まってしまう
夕陽の美しさに、立ち止まってしまう

ホテルから望む景色も絶景そのもの
ホテルから望む景色も絶景そのもの

「嘆きの壁」の先にかつてあった神殿に祈りをささげる
「嘆きの壁」の先にかつてあった神殿に祈りをささげる

祈りをささげるイスカルジャパンのスタッフ
祈りをささげるイスカルジャパンのスタッフ

イスカルジャパンの岡田代表
イスカルジャパンの岡田代表