ツーリングならユキワ精工というヒロフジ精工。自社製品製造の夢託し、大阪営業所開設。

ヒロフジ精工株式会社

ヒロフジ精工株式会社

今別府社長(左)とオペレーターの竹田さん

ユキワ精工の一貫したツーリングユーザーと聞いて、今回、お邪魔したのが宮崎・都城市で工業用機械部品や鉄塔関連などの幅広い部品加工を手掛けるヒロフジ精工。対応いただいたのは、今別府社長と創業者で父の今別府会長だ。

 ヒロフジ精工のルーツを辿れば東大阪になると言う。創業は1999年で当初は工業用ミシンの下請けとしてスタートした。
 創業者の今別府会長は「東大阪は当時、ミシンを製造する企業が多く、受注内容も大半を占めたが、やがて空洞化の波が押し寄せてきた。と同時に『下請けの下請け』から、脱皮したいとの目標が芽生えてきて、2007年には業容の拡大を視野に入れ、家内の実家だった当地への移転を決めた」との経緯を語る。
 工業用機械部品の中には航空宇宙関連機器もあるとのことだが、ワークは手のひらサイズで、材質はステンレス系が多い。1ロットは数個から3000個とマチマチだが、100個から300個単位がボリュームゾーンだ。
 今別府社長は「都城に移転した翌年の2008年に、帰って来て、仕事を手伝ってくれないかと父から声を掛けられ、翌年の2009年にアメリカでの仕事の整理を終えて入社した。ところが、リーマンショックによる『後遺症』の真っただ中で、仕事らしい仕事がない」状況に迎えられ「慌てても仕方がないので、機械への習熟や工場管理の在り方など『新しいステージ』への準備に時間を費やした」と入社当時を振り返る。
 その後、宮崎県が主催する商談会に自社製品を携え参加。受注に繋がり、2012年から拡大基調に突入し、2018年には社長を交代した。仕事量の増加は、従来の工場の延長線上では考えられなくなり、2020年、現在の工場(第二工場)の稼働へと繋がっていく。
 「ツーリングはユキワ精工との付き合いしかない。この点では他社製との比較ができないが、途中入社したスタッフからは、面粗度や触れ精度の高さ、真円形状の高品位さ等について指摘される」そうだ。
 5台あるマシニングセンタはすべてブラザー工業製だが、すべてにスーパーG1チャックが装てんされている。総計で70本~80本を数える。
 「他社からは、なぜ?との質問に遭うこともあるが、何ら問題が発生していないうえ、古いスーパーG1チャックでも芯出し計測して1000分の5以内。コレットがきゅっと絞ってくれるのがわかる」。
 2022年は過去最高の売り上げを達成。自社製品製造へのステップとして、和歌山の企業との間で協力工場の関係を築いた。
 「これによって、3月21日に大阪に営業所を開設した。弊社にとって、自前の製品を製造していく足がかりを掴んだことになる」と夢の具体化に向け、大きく前進している。

マシニングセンタにはすべてにユキワ精工のスーパーG1チャックが装てんされてる
マシニングセンタにはすべてにユキワ精工のスーパーG1チャックが装てんされてる