機上測定需要は堅調-山田ブルーム-ノボテスト社長に聞く「総括2023」
売上は過去最高、利益面では円安の影響で苦戦

ブルーム-ノボテスト株式会社

ブルーム-ノボテスト株式会社

山田社長

2023年も間もなく幕を閉じる。山田社長を訪問し、この1年を振り返ってもらいつつ、新たな課題設定や来年に向けた展望などを語ってもらった。

 工作機械の受注は落ちているが、出荷ベースでは昨年と同水準で推移している。
 「我々の製品は、基本的に工作機械が稼働する前に納入する。売り上げベースでは、過去最高を記録する見込みで、受注水準も昨年並みを確保できる。ただ、円安の影響で収益面では厳しいものがある」。
 日本国内でも着実に機上測定の需要が高まっていることが伺える。
 「製品の動きで見ると、デジログシリーズの最上位モデル『LC50-DIGILOG』の採用比率が高まってきた。切れ刃の微細なバラツキまで測定でき、加工ワークの品質向上、工具の寿命管理に寄与していく、レーザーによる非接触工具測定システムだが、加工現場での工具管理に求められる水準の高まりを感じさせる」。
 需要への対応という点では、タッチプローブの使い方の相談も増えてきたと言う。
 「自動化の進展がベースにあると思うが、アプリケーションの広がりで、現場では使い方の可能性を模索されている。一例ではあるが、タッチプローブTC76への問い合わせが増えてきた」。
 10月に開催されたメカトロテックでは、マシニングセンタだけではない「旋盤にも機上測定の時代がきた」とのアピールが目を惹いた。
 着座確認、芯出しから面粗度までの自動化を謳い、工作機内で測定し、不良が発生しても、そのまま追加工も可能なことから「搬送工数、ワークの廃棄ロスの削減に繋がる」。
 もちろん、既存機への取り付けも可能だ。
 ところで地元であるEMOショーでのブルームの主要なアピールポイントは何だったのか。
 「世界的に自動化が進むなか、工作機械やロボットを簡単に使いこなせるようにしていくためのソフトウエアを発表した。言わば、『頭脳』としての進展を披露した形になる。ユーザーにとっては使い勝手の良さがポイントだ」。
 パブリック展示会という括りで来年、日本ではインターモールド(大阪)とJIMTOF出展が計画されている。
 「日本でのレーザー測定導入は、金型業界から始まった。その意味で弊社にとってはキー産業であり、インターモールド出展は欠かせない。従来の職人さんの仕事を代替していく、自動化の推進をインターモールドの場で訴えていく考えで、特に工具形状の視覚化を視野にいれていきたいと思っている」。
 最後になるが、来年の課題をどのように考えるか。
 「自動化はフォローの風であり、この点で需要に陰りはないと見ている。だからこそ、とも言えるが、社内チームワークでより効率よく動けるよう工夫していきたい。複数の事柄を有機的に段取り良く、対応できるようになれば、顧客満足度も上がっていく」。

ブースでの説明に聞き入る来場者
ブースでの説明に聞き入る来場者

メカトロテックでのアピール
メカトロテックでのアピール