刃先に拘り、いいものを追求する國見工作所(大阪市西成区) ユキワ製G1チャック評価

ユキワ精工株式会社

ユキワ精工株式会社

國見専務(左から2人目)と現場担当者

  •  ナニワ企業団地内(大阪市西成区)の一角に工場を構える町の加工屋さん國見工作所を訪問。「刃先が最も大事」と語る國見芳裕専務に飽くなき工具の探求とその成果について聞いた。

 

 

  •  NC旋盤、マシニングセンタを設備し、金型部品、産業機械・建機等の精密部品の切削加工を事業内容とする國見工作所。1966年に旋盤加工からスタートし、2006年頃からマシニングセンタを導入して金型部品の加工を開始した。「当初は、企業団地内の同業者に加工方法を習い、削れるようになって徐々に仕事を頂けるようになった」。
  •  今年初めには、10年のキャリアを持つ30代のオペレーターと20代の若手が入社し、現場は4人体制に。「人材教育に注力している」と言う。
  •  そして、人材教育とともに力を入れているのが工具の選定だ。「新たな工具や加工方法には敏感に反応している。国内外のメーカー問わず積極的に導入する」。最近では、海外メーカーのドリルの導入や工具メーカーの講習会に現場担当者全員で参加した。
  • 「良い工具は?」との問いに、海外メーカーのタッパー、ミーリングチャック、旋盤用工具、スロアーウェイカッターなど、次々と名を挙げる。
  •  「工具の世界は日進月歩。効率、刃持ち、品質と絶えず向上している」と語る國見専務。アンテナを張り、積極的に取り入れ使ってみるからこそ、そう感じるのだろう。
  •  「刃先が最も大事。もちろん高価な機械も大事だが、製品に直接影響を与えるのは刃先だから」と國見専務は考える。その根底には「いいものを作り、お客様に喜んでもらいたい」との思いがある。
  •  マシニングセンタの主軸にはユキワ精工製のツールホルダ「スーパーG1チャック」が使用されている。業界の専門紙に掲載されたユーザーの記事を読んで、「精密加工現場に多く入っているとの印象を受け、即座に導入を決めた」。もっとも、当時はユキワのBBT規格が製造されてなかったそうで、「製造される前から注文していたため、うちにはユキワのBBT規格の第1号が入っている」と言う。
  •  導入後は、「歴然とした効果」が現れた。金型メーカーの一次加工を行う同社。納品先の金型メーカーからは、ホルダを変更してから、「研磨の際の芯出し作業が格段に速くなった」と、製品精度が向上したとの評価を得た。工具寿命も延びた。「通常、8個で工具の交換を要するところが13個削っても精度が維持できている」。そして、剛性の高さも実感。「BBT規格でも他社製ホルダと比較してビビりが少なくなった。突出しの長いエンドミルでの加工は必ずG1チャックを使う」そうだ。
  •  現在では、同社の主要な仕事となっている金型部品加工に欠かせない工具の一つとなっている。

 

  •  「ものを作る上で工具は非常に大切。工具一つで大きく変わる。これまでできなかったこと、何時間もかかっていたことが、ある一つの工具を採用しただけで、簡単にできたときは楽しいし、選んだ甲斐があったと実感する」と語る國見専務。工具への探求は続く。