工具加工の最前線アイテムに注目、課題は東日本ユーザーの深耕-ワルターエワーグジャパン

ワルターエワーグジャパン株式会社

ワルターエワーグジャパン株式会社

レーザー加工提案が本格化してきた

     JIMTOF開催が迫る中、入社から半年が経過したワルターエワーグジャパンの池田潤副社長を訪問した。
     「JIMTOFへの参加は、以前在職していたアジエシャルミー時代に経験しているが、工具研削盤で来場者をお迎えするのは初めてになる。3月1日に入社して、ドイツでの研修などを経て日本市場と向き合っているが、『指名買い』など、当社の製品には競争力があることを実感している。今後も、期待を裏切らないよう、ニーズに対応した組織作りを心掛けていきたい」。
     池田副社長からは東日本エリアへのフォロー強化が課題に上がった。8月までの実績では、昨年以上の状況で推移しているが、年末に向けては厳しい予測を立てる。
     「リピートユーザーを大切にしつつも、新規獲得、なかでも、東日本のポテンシャルユーザーを開拓し、実績に繋げていきたい。JIMTOFの場を活用して、来期に繋げていけるような、顧客との関係を深められるよう努力していきたい」。
     JIMTOF会場では、新しくショールームに導入した「ヘリチェック3D」と実績ある「ヘリチェックプロ」の測定機2台を出展するとともに、放電加工で従来では仕上げられなかった面粗度を体感できる「ダイヤモンド エボリューション」ほか、レーザーを使って初めて工具のスパイラル形状が可能となった新ソフト搭載の「レーザーラインウルトラ」を披露していくことになる。以下、中澤武吉営業課長にそれぞれをなぞってもらった。
     「ヘリチェック3Dは、工具をスキャンして3Dモデル化、立体的にイメージできる。特に再研磨メーカーさんで、1本、データを保管しておけば、リピート対応が容易にできるメリットは大きいと考える」。
     「新製品となるダイヤモンド エボリューションは、従来、放電では達成できなかった面粗度の水準に到達。会場では、今後搭載予定の新電源で加工したサンプルを手に取って、ご確認いただくことになる」。
     「レーザーラインウルトラは、今年の3月、独・グラインドテックでねじれ形状ができる新ソフトを公開、デモして以来、日本市場でも反響を呼んでいる『インパクト機』に成長した。PCD、CBN、超硬・・・といった材質を問わずスピードアップが図れる利点もアピールしていきたい」。
     会場案内図を見ても、ワルターエワーグのコマ番号が見当たらない‐と言う読者のために若干の説明をしたい。
     出展はワルターエワーグではなく、「ユナイテッドグライディンググループ」で行っており、会場にはスチューダの展示機も配置される。
     あまりご存じでない読者のために、ユナイテッド・グライディング・グループについて説明すれば、ケルバーという親会社のもとに研削部門を擁する会社が8社あり、工具研削盤(ワルター、エワーグ)、円筒研削盤(スチューダ、ユング、ミクローサ)、平面&プロファイル研削盤(シャウト、メーゲル、ブルーム)のグループで構成される。
     工具関連では、ワルター、エワーグの両社があり、シナジーを追求していくためにも、日本法人は双方を扱う団体として、5、6年前にワルタージャパンを母体にエワーグが加わり、ワルターエワーグジャパンとしてスタートしている。
     池田副社長に話を戻すが、今期、市場でヒットしている機種と言えば「ビジョン400L」のようで、受注の8割までがリピート客。「ヘリトロニックパワー」もコンスタントに出ていると言う。
     「繰り返しになるがJIMTOFでは、関東以北の客先をいかに今後、取り込めるか。腐心していくことになる。来期の成績のカギを握ると考えている」。

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AMB出展の様子