ソフトウエア、メンテナンス、周辺機器にも対応した技術セミナーを実施<br>「既存ユーザー様の底上げをサポート」(冨田営業部長)

ワルターエワーグジャパン株式会社

ワルターエワーグジャパン株式会社

冨田営業部長

2024年の新年賀詞交歓会が一段落し、ワルターエワーグジャパンの冨田営業部長を訪問。2024年の新たな取り組みを取材した。

 円安が継続するなか、外資系企業が提案する商材の苦戦が続いているようだ。
 「景気には山谷があるのは当然。弊社の今期の注力点のひとつは、既存ユーザー様に対する底上げを図るべく、メンテナンスへの対応も盛り込んだ技術セミナーの実施を計画している。オペレーターの方をターゲットに設定。もちろん、ツールスタジオと言ったソフトウエアへの習熟も考慮に入れている」。
 セミナーは2月からスタートし、今年は8回の実施を計画していると言う。
 ワールドワイドでの昨年のトピックスだが、EMOショーで中国ユーザーからの大口の受注を見た。
 「中国景気は減速感が強いが、EMOショー開催段階では、出展者、来場者共に中国勢が目立った。自国内の需要は今ひとつ、との裏返しかもしれないが、ヨーロッパ市場へのアプローチ含め、中国ユーザーからの設備需要の底堅さを感じた事例にはなろうか」。
 国内では自動化案件を携えた、大手工具メーカーからの受注を見込んでいる。
 「ビジョン400Lにオプションで機内工具測定機を搭載する。高度な測定システムと革新的な青色レーザーを組み合わせた非接触による測定で、昨年のEMOショーで初披露したアイテムとなる」。
 その名は「レーザー コンツァー チェック」。軸モノ工具の工具パラメーターを機内で高精度かつ非接触で測定が可能となる。
 「接触測定中にプローブの摩耗によって発生する可能性が否定できない刃先の損傷やエラーを回避することができる。デジタル、アナログ双方の測定が実施され、偏差はプロセス中にスキャンして直接、補正が可能だ」。
 このほかのメリットを記述すれば、青色レーザー光線の採用で測定精度が向上しているうえ、機内測定のため無人の連続加工にも貢献。セットアップ時間の短縮にも繋がっていく。
 「測定対象工具径は1ミリ~52ミリ。直径の測定時間は、工具の種類によっても異なるが、およその目安として16秒。精度の範囲は+-1・5ミクロン。以上が主な仕様となる」。
 ワルターエワーグジャパンから、オプションの充実と言う点で、もう1点、紹介したいのが「3Dセンサー」だ。
 「ヘリチェックプロおよびプラスシリーズ向けの新しいオプション。測定機2台の機能を1台で実現する頼もしい存在であり、トップライトカメラ、バックライトカメラ、フロントライトカメラを使用した『測定』と3Dセンサーによる『デジタル化』を担っていく」。
 3Dセンサーは、ワークピースを点の「集まり」として視覚化。次いで3次元画像で様々な測定を実施していく。
 「ユーザーサイドでは、この画像を3DCADデータ、または、マスターパーツ3DCADデータと比較し、ツールの偏差を認識することができる」。
 今年のJIMTOFでは、出展予定のヘリパワーダイヤ400に「レーザー コンツアァー チェック」を搭載して披露されるそうだ。
 「新たなオプションを選択することにより、是非とも、有効活用を図って頂ければと思う」と冨田営業部長は訴えた。