新三協工具ユーザー、旭工精の電極づくりで「SUPER-DIA」を高評価 コスパの高さでダントツ、ラインナップも充実し、加工条件も上げられると絶賛
オペレーターの横山さん
- フジBC技研が扱い、CHAMPION CORPORATIONが販売する新三協工具。本紙10月号では、高品質の真空・スクイズダイカスト(無孔性ダイカスト)づくりを標榜する東大阪市の旭工精を訪問し、グラファイト電極づくりに「SUPER-DIA」がどのように評価され、活用されているか、紙面化することにした。
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- 設立は戦後も間もない、1946年になると言う。
- 旭工精幹部によると「現状では、自動車関連の仕事を中心に、ダイカストを軸としたものづくりを展開している。顧客は完成車メーカー、ティア1クラスがメインだが、産業機器や建機関連へも広がりを見せている」。
- 圧漏れが少なく、鋳巣の少ない高強度ダイカストづくりに余念がないのは言うまでもない。
- ダイカストでの差別化と言えば、そのベースとなる金型づくりにある。
- 「品質の精巧さはもとより、仕上げ加工を極力、少なくすることに留意している。そのためには、最新工具を常に確認し、時短を追求し、納期面、コスト面での競争力強化を図っていく」としつつ「新しい材質の母材の情報を収集し、より耐久性のあるダイカスト金型づくりを志向している」とコメントする。
- 金型づくりの詳細について、直接、関わる金型課の境リーダーとオペレーターの横山さんに、日々、配慮している点についてヒアリングすると・・・
- 「5軸加工機を活用し、直彫りによる金型づくりを志向している。とは言え、直彫りは半分にも満たないのが現状だ。深いリブや細かなところは、グラファイト電極を用いた放電加工でしか対応できないからだが、受注に際して複雑形状で他社と差別化していくことの重要性は無視できない。直彫りと放電双方のメリットの追求も欠かせない」と境リーダーは語る。
- 放電加工は、従来から、「遅い」と言われてきた。
- オペレーターの横山さんは「古くて新しいテーマだが、いかに速く電極を作るかに尽きる。その目安とも言えるのが工具の選定にある。CAMで計算した加工パスはあまり変えずに、径の大きさ、送り速度など、切削条件を詰めていく」。
- いかに速く電極を作り上げていくか-日々の課題を意識しつつ、新三協工具の「SUPER-DIA」との出会いから、もうすぐ1年になろうとしている。
- 「大手工具メーカーのエンドミルからのリプレースで、価格は半額、ラインアップも充実しており、そのうえ、送りなどの加工条件も上げることができるようになり、電極加工をより速く、という点でも満足がいく。選択しない手はなかった」と横山さんは振り返る。
- 今では、電極加工はSUPER-DIAほぼ一色。ボールエンドミル4種類、ラジアス2種類を駆使する。
- 「荒加工ではφ12ミリのラジアスに始まり、φ6ミリのボール・・・仕上げ工程もφ6ミリのラジアスを皮切りに複数ある」。
- 確かに電極づくりは手間がかかる。
- 「SUPER-DIA1本で最大14時間使用できるが、実際の電極加工では10時間で交換している」と言う。 グラファイト電極はひと月当たり40個程度製作している。
- 「メーカーさんへの要望になるが、φ0・6ミリのロングタイプが欲しい。具体的には首下12ミリ~15ミリになるだろうか」との、現場ならではのニーズも挙がった。
ひと月におよそ40個の電極の加工に取り組む
電極加工の主要なテーマは「いかに速く」だ