今後の(再研削の)量的拡大見込み、設備含め茨城工場増設を計画
創業60周年迎えたウンノ研磨工業所
渡辺社長
工具再研磨の現状はどうか、という問題意識で創業60周年を迎えたウンノ研磨工業所を訪問、渡辺社長にインタビューを試みた。
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大田区の本社工場と茨城工場で手技を活かした工具再研磨事業に取り組むウンノ研磨工業所。現在、エンドミル、ドリル、カッターと言った軸モノ工具がメインで、再研磨総数で見れば月次で6000本~8000本を占める。
「弊社は汎用機を駆使した多品種小ロット対応を得意とするが、量産への対応として、自動機も駆使している。今後、量的拡大を見込み、軸モノ工具は茨城工場に一本化していく計画で、工具研削盤などの設備投資と合わせ工場の増設を予定している。年内までに具体化させる方針」と言う。
受注内容は、平均すると超硬3、ハイス2の割合のようだが「量的には、毎月の変動が大きい。直近では、2月、3月は前年同期比20%アップしたが、4月に入るとトーンダウンしてきた」。
自動機も駆使するが、手技を活かし、新品に近い再研磨を目指しているのも他社との差別化の一環だろう。
「難削材の加工で、ダイヤモンド工具を使用する頻度が高まってきており、再研磨の比重も増えてきているが、弊社では汎用機で対応している。人が介在することによって『味を出していく』ことに重きを置いている。汎用の技術を世に残していければとの思いは強い」。
再研磨目線で母材の提案も行っている。「味を出していく」試みでもあるだろう。
創業者からのバトンを受け、社長就任から4年目に入った。
「地盤から基盤の確立を意識している。知名度を上げていく機会も大切と捉え、来年3月開催のグラインディングテクノロジーにも出展を計画している」。