ユキワ精工ツーリングユーザー、北久保製作所(東京・東村市)

有限会社北久保製作所

有限会社北久保製作所

穴加工、形状加工でスーパーG1チャックとグリーンG1チャックを使い分けしていると語る北久保社長

ユキワ精工のツーリングを活用することによって、切削条件を2倍以上、上げてもビビらなくなり、精度も向上した-と語るのは、東京は東村山市を拠点に、ダイカストの部品加工で差別化を図る北久保製作所の北久保賢人社長だ。
 「当社は、狭山市、川口市など、埼玉でダイカストを手がける企業さんからの受注が大半で、内容としては、アマチュア無線機関連が3割と最も多く、次いで半導体・放熱板(ヒートシンク)関連で2割、残りはバルブ関連、弱電関連などで占める。2022年に社長に就任した際の抱負でもあるが、将来的には、センサーに関連する需要の伸びが期待できる弱電分野で実績を積み上げていきたい」と言う。
 創業は1960年、北久保社長の祖父がボール盤を導入して起業し、父である会長が設備を駆使しつつ、工場の効率化、生産性向上に尽力してきたとのことだが「マシニングセンタ導入による成果の一例だが、建築関連でドアノブの『カギ部』の加工で、ボール盤では、せいぜい200個だったのが1000個へと飛躍的な拡大を遂げた。設備の効用を肌で感じた次第だ」と振り返る場面も。
 最近では一昨年の2022年、ブラザー工業製スピーディオ「M200X3」を導入した。
 「旋削能力も兼ね備えた複合加工機。弱電関連の分電盤に関わる部品加工で導入した。1ロットでおよそ1000個、種類も多いが、ワンチャックであらゆる面、角度の加工を精度良く、自在に行えるメリットは大きい」ものの「配線を通す窓に当たる穴加工でビビりが発生。困っていた」と言う。
 取引しているタンガロイ出身の工具商に「ビビリをなくしたい」と相談したところ、勧められたのが、ユキワ精工のスーパーG1チャックだった。
 「早速、試してみると、期待通り、ビビリがなくなった。切削音が静かになり、状況を見ながら切削条件を上げていき、結果的に2倍以上、上げてもビビらなかったばかりか、精度面での向上にも繋がっていった」そうだ。
 だが、メリットはこれに終わらなかった。
 「刃物の持ちが格段に良くなり、極端に言えば、工具を買うことがなくなった」との「嬉しい悲鳴」が挙がる。
 「穴加工でのスーパーG1チャックの効用に続き、エンドミル加工でグリーンG1チャックを試してみた。3倍以上、回転数を上げても、ビビらず、刃物も傷まない。効率がアップし、精度面でも申し分のない結果を得た」。
 穴加工でスーパーG1チャック、形状加工でグリーンG1チャックという棲み分けを図り、効率と精度の両面で結果を出している。
 「ユキワ精工さんとはここ2年近く親しくお付き合いさせて頂いている。ひとつ要望をお願いするとすれば、壁際のタップ穴加工で活用できるツーリングがあれば言うことがない」。

エンドミル加工で、グリーンG1チャックを使用すれば、切削速度を従来比3倍以上上げても大丈夫だと言う
エンドミル加工で、グリーンG1チャックを使用すれば、切削速度を従来比3倍以上上げても大丈夫だと言う

加工部品の一例
加工部品の一例