面祖度の安定、精度のバラツキ抑制でツーリングはユキワ精工製スーパーG1チャックを選定-美工ライト工芸(名古屋市緑区)
古川社長(右)とスーパーG1チャックを手に取る子息の悠大さん
1980年代にアクリル板の「曲げ、切断、穴あけ、接着」といった加工で創業した美工ライト工芸は、その後、エンジニアリングプラスチック(エンプラ)の仕事に従事するようになり、今ではエンプラの加工が6割を占めるまでに拡大している。
古川社長は「エンプラの加工は、1ロット1個が標準で、形状も大きさも様々。加工はいわゆる抜き加工がメイン。顧客は中部地区を中心に40社ほど」との概略を説明してくれた。
2016年にNCルータ、2018年にロボドリルを導入するなど、現場のNC化を進めてきた。
「特にロボドリルは製品の安定、精度向上を目的として導入したが、複雑形状の加工も可能になったことから仕事量拡大に寄与するようになった」と渡部工場長は付け加えた。
さらに2020年には、受注量増大に対応して、ロボドリルを追加導入し、今年に入ってからはブラザー工業のスピーディオの「W1000-Xd1」のオーダーを決め、5月から稼働スタートさせている。
「スピーディオ導入は、(ロボドリルと比較して)テーブルの大きさ、工具交換・移動スピードの速さで決定した」(渡部工場長)そうだが、このタイミングで、ツーリングの検討も始まり、ユキワ精工のスーパーG1チャックを試してみることになった。
渡部工場長によると「ユキワ精工の名古屋所長とは以前からの知り合いで、スピーディオ導入のタイミングで、営業提案を頂いていた」と言う。
テスト加工では、ロボドリルに従来から使用していた他社のツーリングとスーパーG1チャックを比較検討。
「端面を見ただけでも、綺麗に加工できていることを実感。面粗度が安定し、精度のバラツキも抑えられている。スピーディオ稼働に際しては、スーパーG1チャックに完全に切り替えようと思った」。
現在、スーパーG1チャックは試しに購入した2本と新規購入した18本の計20本が活用されている。
「CAD/CAMを駆使し、プログラミング設定して夜間運転も行っているが、スーパーG1チャックだと、振れが少ないからか、加工音が静か。加工では切削油を使わず、エアーブローで対応。熱がこもらないよう、割れ注意しながら加工している。5月からの稼働なので、工具寿命は現在、検証中」とのことだ。
スピーディオの月間稼働時間工具は240時間以上。工具は、日進工具のエンドミルを活用、φ3ミリ~φ10ミリを多用していると言う。
エンプラ加工の例(その1)
エンプラ加工の例(その2)