滞りのない工具提供へOEM体制確立したイワタツール。製品が整い始め、予想以上の注文に結実
岩田社長
イワタツールは、3月という年度末に主要代理店に工具の納入を図った。
「一般的には普通だが、弊社としては最近では珍しい。言葉を代えれば、品質を上げ、生産性を上げ、モノを揃えることができた結果であり、社内体制改善の成果と言っても差し支えない。弊社にとっては『改革』のひとつの現れ」と表現する。
5年の歳月を費やし、生産管理システムを再構築し、特にこの1年は、欠品の解消、納期改善を含む「既存の問題点の洗い出し」に総力を挙げて取り組んできた。
「在庫が整ったことで、トグロンハード・ドリル、ロングドリル、SP、トグロンマルチチャンファーといった既存の高評価を得てきた製品群が動き出した。予想以上の注文を頂いており、逆にこのことが、モノがないことへの反省を促してもいる」。
滞りなく製品を届けていく、そのための外注先を探し出したと言う。
「従来、OEMと言う選択肢は考慮になかったが、弊社の工具を待ってくれている方々にご迷惑をかけてはならない、との思いを強くした。また、外注先の広がりによって、多様なニーズへの対応も強化できると考えている」。
自前でできる技術にプラスした、メーカー協力体制の確立。今後の供給能力向上に期待したいところだ。
一方、海外についても新たな動きを見せている。
「ひとつは北米。在庫体制を整えつつ、販売体制を強化させて、半導体をはじめとする精密部品加工市場の発掘に努めていく。ターゲットとする販売エリアは西海岸だ。もうひとつはベトナムのハノイ。販売パートナーの協力を得て、このほど、在庫センター開設にこぎつけた」そうで「タイ、中国、欧州を含め、海外ネットワーク網充実をさらに追求していきたい。そのためにも、販売と製造の両輪を上手く噛み合わせていくことが重要になってくる」。
最近の話題のひとつに、大手工具メーカーが、面取り工具に注力していることが注目されているが、イワタツールでリリースしている「トグロンマルチチャンファー」に代表される面取り工具は、切削工具の情報サイト「タクミセンパイ」でユーザー評価ランキングナンバー1に挙がっている。是非、チェックを!と言いたい。
「特筆すべき内容でもないが、社内の風通しが良くなってきて、人手不足改善にも通じている。今期の見通しとしては、7月以降、市場が上向いてくると予想。展示会関連では、ハノーヴァーで開催のEMO、名古屋でのメカトロテックをリアルアピールの場に設定、WEBとのセットで訴求力を強化していきたい」。
中国・大連工場で製造した工具も出品された