安田工業ユーザーであり、販売商社でもあるラポール(愛知県西尾市)訪問
工場の立ち上げ、レイアウトほか、技術相談にも対応
販売と加工の両面で顧客に向き合う神谷社長
「機械に習熟できて初めて、販売も可能になってくる」-と語るのは、愛知県は西尾市で、機械販売ばかりか、加工にも対応しているラポールの神谷俊裕社長だ。
「創業は1993年11月。今年で30周年を迎える。工具商社で機械販売をしていた私の父が創業者で、母親との二人三脚でスタートを切った」そうだ。
創業当時から、平日は機械販売に携わりながら、休日には(販売先の)顧客から請け負った仕事に従事していた。言わば、販売と受託加工が両輪となって、ラポールを運営、発展させてきた訳で、この点にラポールの特徴がある。
「ラポールは、フランス語で、人と人を繋ぐ信頼の架け橋と言う意味があるそうで、命名した創業者の思いが伝わってくる。私は、学業にピリオドを打ってからは、服飾関係の仕事に従事していたが、継承を考え、プラ型を手がけるお客様の工場で、およそ1年半にわたる修業を経て、2003年にラポールに入社した」。
神谷社長の入社直前には、創業者が恒温工場の建設、安田工業のYBM950V、ワイヤカットではソディックのAQ535L、形彫では、同じくソディックのAQ75Lそれぞれの導入を決めていた。
「最高レベルの工場環境に、最高クラスのツールが用意され、私自身にとっても、ものづくりの継承を改めて誓うことになった」。
現在、取引先は愛知県を中心に、およそ50社。9割は金型メーカーが占める。
販売品目は、マシニングセンタが、安田工業をはじめ、牧野フライス製作所、OKK、オークマ、放電・形彫はソディック、平面研削盤は岡本工作機械、測定機はミツトヨ、東京精密などが占める。
「機械の販売、納入に際し、加工や技術相談、工場のレイアウトなどの助言もさせて頂くほか、顧客の現場に見合った機械選定のお手伝いも。弊社の工場は、ショールームとしても機能させており、金型づくりを実践的に体感できる場でもあるからだ」。
受託加工については、顧客だけでは対応できない量的サポート、難易度の高い仕事が多い。
「金型の高精度化に伴う、HRC60を超える焼き入れ鋼や熱処理された部材が増えてきた。納品するときには、加工方法の説明もさせて頂いている」。
販売と受託加工は、まさに表裏を成している。
現場力はヒトと設備のシナジーとも言えようが、ラポールでの機械設備は安田工業製が最も層が厚い。
「私が入社当時から扱っているYBM950Vは『3軸の万能機』で、すでに5代目に代替わりしている。5年サイクルを基本に、リプレースしており、顧客の求めに応じて中古を販売し、弊社は新たに買い求める。新しい機械は何らかの付加価値が伴っており、加工におけるアドバンテージが期待できる」。
このほか「小型ワークの高精度加工に適する」YBM640V(2代目)「5軸加工の名機と言える」YBM Vi40(2代目)「小型ワークを超高精度に加工する」YMC650(初代)をラインアップしている。(カッコ内のコメントは神谷社長による)。
「とにかく安田工業製マシニングセンタは、狙った通りの精度が出る。レベルは+-5ミクロン以内。変位が少なく、工具を変えても安定している」との機械本体の評価に加え「ソフトウエアの開発も進んでおり、利便性の高い項目が付け加わっている」と、ソフト面での改善、改良についても言及する。
最後に神谷社長から「自動化を考慮すると、自社製のパレットチェンジャーが使い勝手もよいかと思う。是非、作っていただきたい」との要望が挙がった。
中村部長(右)営業担当の持田さん