新製品UG-MaxProの特殊モデルを展示。溝長450ミリ、全長600ミリのワークに対応する。

株式会社宇都宮製作所

株式会社宇都宮製作所

宇都宮崇寛営業本部長

 

 

「年度始めから工具メーカーからの需要という面では、昨季に比べ若干のトーンダウンが見られる。先行きの不透明さが導入に影響しているように思う」。その一方で、「再研磨用途については、多様なところからの引き合いがあり、ユーザーからの相談が途切れることはない」と言う。海外に目を転じると、「中国の案件は少なく、タイの日系企業からの引き合いはあるが、総じて海外は少ない。やはり主力は国内となる」そうだ。 受注の中心は『TGR‐250』、『TGR‐016系』、『TGR‐200』

 

受注に関しては、「機械ごとにカスタマイズしているが、ドリル、リーマ、エンドミルのプログラムの導入を希望されるお客様が多い。機種としては、『TGR‐250』、『TGR‐016系』、『TGR‐200』が中心となり、オーダーとなれば納入を急がれるケースがほとんど」と語る。

 

今回のJIMTOFでは、7コマのブースにプロタイプドリル、コーティングプロタイプドリル、特殊切削工具、サブランドドリル等の工具の他、NC工具研削盤「UG‐MaxPro」、NC全自動工具研削盤「TGR‐016Hi」が展示される。

 

「UG‐MaxPro」は、2年前にプロトタイプを展示。同社工具研削盤の第一世代となる「UTG」、第2世代の「TGR」に次ぐ第3世代となる。「加工精度への最大の脅威である研削スラッジの悪影響をカット」をコンセプトとして、駆動部を研削室外へ集中的に配置し、まったく新しい構造とレイアウトを採用した。 ロングワーク専用旋回テーブル、ダブルブッシュ受け装置、小型ワークヘッドを装備。

 

今回は、特殊モデルを展示。溝長450ミリ・全長600ミリのワークに対応可能で、専用ロング旋回テーブル、ダブルブッシュ受け装置、小型ワークヘッド(手締めハイドロチャック)を装備。

 

その他、クーラントノズル一体型チェンジャーには4種類の砥石を搭載。複数砥石の位置・径・厚みを自動で測定できる複数砥石測定機能も付加。クーラントの影響を最小限に抑えるための構造を採用し、ボールねじ・ガイド・コラムの剛性も強化。そして、潤滑オイル、クーラントオイルの回収経路を独立化させた仕様となっている。

 

さらには、現在開発中の①レーザー測定機能(非接触測定にてワーク形状を測定)、②衝突防止機能(外部監視システムにより、衝突前に機械停止‐の二つの新機能を実装して、来場者に提案していく予定だ。

 

会場では、溝長450ミリ・全長500ミリの超硬ロングドリルを溝切りから刃先研磨までの全加工のデモ加工が行われる。

 

もう一つの出展機となる「TGR‐016Hi」では「従来から訴求しているネガランド加工を含むドリルの刃先研磨だけではなく、チップの研磨やタップの再研磨などのデモ加工を実施する予定。新しい使用方法の提案をしたい」と、宇都宮本部長は語る。

 

また、ユーザーからの要望を取り入れ、砥石の端面センサ、ワーク受け装置などの新オプションも出展する。

 

出展する両機械に標準装備されている対話型のデータ入力ソフト「ITPS」の進化版も実装する予定。「ユーザーの要望を取り入れ、特に使い勝手の部分を改良した」そうで、こちらも見どころの一つとなる。

 

インタビューの際、宇都宮営業本部長から、「弊社は常に顧客と打ち合わせをしながら自動機の設計に取り組んでいる」という話を伺った。宇都宮製作所は、顧客の細かな要望に沿って様々な仕様に作り込むことを強みとする。それは、細部から機械のボディカラーにまで及ぶ。