PCD・CBN工具の刃先研磨が可能となったTGR-016αインプロセスドレス装置搭載仕様機にテスト加工依頼増える
「早くも納入実績。コストメリットに加え、ホーニング加工が可能になることも高得点に直結」

株式会社宇都宮製作所

株式会社宇都宮製作所

他社製からの更新需要にも期待する田中開発部長

宇都宮製作所十日町工場を訪問し、田中開発部長に昨年のメカトロテックで発表した、TGR-016αインプロセスドレス装置搭載仕様機の特徴と、この間の顧客からの反応などについて改めて取材した。

 昨年のメカトロテックで宇都宮製作所は、従来工具に加えてPCD・CBN工具の刃先研磨を可能とするTGR-016αインプロセスドレス装置搭載仕様機(オプション)を提案した。
田中開発部長は「ブース来場者に好評をもって迎えられ、その後、テスト加工を経て、現場によっては、すでに納入実績が伴ってきた。同業他社との比較で価格メリットを感じて頂きつつ、ホーニング加工も可能な点が評価されている」と一連の成果を語る。
特にホーニングは手作業で行っているのが一般的なため、人手不足緩和、解消を意識しながら、刃付けとホーニングとの工程集約メリットもアピールできるだろう。
 「新規訪問者の中には、他社ユーザーからの試削り依頼も入っており、新たな更新需要についても手ごたえを感じ始めている」とのことで、インプロセスドレス装置搭載仕様機で、PCD・CBN工具分野の新規顧客獲得の機会を手にしたことになろうか。
 PCD・CBN工具の加工に最適な専用プログラムがすでに開発されており、いつでも最適なドレス状態に自動で補正されると言う。
 さらに信頼性と言う点では、幅広い測定個所に加え、機上での測定も可能なことも強調しておきたい。
 「ポイントになるのがチップの取り付けに際し、ヒトによるばらつきをいかに解消していくか。大まかにセットしても、センサーによる計測を通じて傾きや芯ずれを自動で補正しているが、これを三角チップの加工にも応用していきたいと考えている」。
 宇都宮製作所と言えば「ドリル」を思い浮かべる人は多い。エンドミル、リーマ、カッターといった他の超硬の軸モノはもちろん、インサートチップ、そしてPCD・CBN工具づくりでも、宇都宮製作所の素敵な「席」が用意されている。
 宇都宮社長によると「2023年度も景況は戻りきったとは言い難い。ただ、急ぎの案件が発生したり、長年、眠っていた案件が浮上してきた年度でもあった」と総括しながら「年内までに、省スペース化を意識した新機種のリリースを計画。ご期待頂ければ」とアピールした。


TGR-016のインプロセスドレス仕様機


インプロセスドレス仕様による工具研削その1


インプロセスドレス仕様による工具研削その2