ゼロチップタップ、シームレスタフレット、ダブルタフレットの3アイテムで売り上げの4割に迫る
テスト加工で新規顧客獲得する田野井製作所
田野井優美社長
田野井製作所の3月決算は、受注、売り上げともに前期比横ばいに落ち着くようだ。
田野井優美社長は「中身を精査すると、特徴的だったのが、弊社では付加価値の高い、ゼロチップタップ、シームレスタフレット、ダブルタフレットの3アイテムで売り上げの4割を占めつつあること。コロナ禍のプラス面だったとも言えるが、時間に余裕ができたユーザー様の現場からテスト加工依頼や問い合わせが一段と増え、切粉が出ない転造タップへの評価ポイントでもある作業性の向上はじめ、工具寿命のアップやヒゲやバリの発生防止、細密ねじ加工や超高速加工への対応と言った点で高評価を得た結果でもある」と語るとともに「多様性に配慮したサイズのラインナップ拡張も怠れない」と付け加えた。
テスト案件でクリアすれば、新規顧客獲得に繋がり、使用されることでリピーターへと成長する。
また「めねじ内部の溶接スパッタの除去として、前回JIMTOFで標準化してリリースしたサライ専用のSR-TFも着実に市場浸透しており、サイズバリエーションを拡大中だ」と言う。
タップの需要は自動車関連が中心だが、建機・農機の分野でも認知度が高まってきた。
「最終ユーザーへの広がりを含め、顧客への貢献度アップで追求していきたいのが、中小企業同士の連携だ。弊社が得意とするタップに加え、ドリルやエンドミル、リーマー、さらにはホルダーなど周辺各メーカーとのコラボレーションを発揮できれば、直接、お役に立てる機会が広がっていくと思う。共通する商社への働きかけも欠かせない」と、得意とする工具種を核に、中小企業の連携を訴えた。