今期も売り上げ2桁増を計画。ベトナム人実習生2期生が今期からハノイ舞台に活躍へ。工場はフル稼働状態に近い。石川工具研磨製作所
石川直明社長
- 売り上げは前年比2桁増と、2017年も堅調な歩みを継続した石川工具研磨製作所。
- 年が明けて社長就任4年目を迎えた石川直明社長を訪問すると「3年間、私なりに蒔いてきた種の芽が出てくると思う。今後、どう開花させていくか、という課題を自らに設定した」と新たな抱負を語ってくれた。
- 常に生産余力を追求しつつ、受注に繋げ、設備がフル稼働状況に突入する前に投資を実践する、そのサイクルの読みは絶妙で、この3年間、コンスタントに売り上げ2桁増を継続させてきた。
- 「幸運な市況に助けられたと思う。ただ、この3年間の着実な歩みは、当社の中間管理職の成長抜きには考えられない。NC工具研削盤も昨年だけで複数台設備し、しかも立ち上がりが早かったが、使いこなしていくノウハウの進展がなければ覚束ない」。
- 今年、2018年も売り上げ2桁増を掲げてスタートさせた。
- 「昨年は12人入社したことで50人体制が確立し、さらに4月にも3人増員となることで①リーダーの教育②全体的な底上げ‐の2点で、どのような前進を勝ち取っていくか。その成否が大きく左右してくると考える」。
- ただ、石川社長に、社内教育の要諦を質したところ「殊更、大げさなことはしていない。挨拶を中心に5Sを執拗に説いている。生産性をアップさせることよりも重要なことである、と。もちろん、無事故無災害に勝ることはない、ことも」。
- 具体的な内容は、各持ち場の責任者との打ち合わせの中で詰められていく。
- 昨年のEMOショーに合わせて訪欧した際、石川社長は地元の企業4社を見学し、その際感じた「限られた時間の中で、どう結果を出すか、仕事の分配の方法をはじめ、自社商品への付加価値の付け方、品質によって他社にリプレースされない方法」‐について、終始、思いを巡らせているそうだ。
- 営業の面では、新規受注の大型案件やリピート顧客からの取りこぼしのフォローが課題に挙がり、「足まめ」の必要性にも言及した。
- 「再研磨、特殊工具対応ともに静岡以西からのボリュームが拡大してきており、この結果、工場はフル稼働に近い状況になりつつある。年明けの状況から判断しても、2018年も、いい状況が継続すると考えていいのではと思う」。
- 海外アプローチの点では、今期はベトナム人実習生2期生が巣立ち、ハノイ駐在として新たな門出を迎えることが挙げられよう。
- 「ベトナム・ハノイの展示会出展、インドネシアでは協力販売店との共同出展も計画している」。
- 内需からの底堅さに加え、海外とのパイプもさらに太くしていく、その采配の中で、石川工具研磨製作所は、4年目に入った石川社長体制のもと、新しい芽がどのように「開花して」していくか。今年も注視していきたい。