ZOLLER Japanユーザー「三和ロボティクス」訪問 スマートチェック導入でツール内段取り時間「平均75分」が「4分30秒に」

ZOLLER Japan株式会社

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沢社長

  •  開口一番、沢社長はこの10年間で、顧客を40社から5社へと絞り込んできたことに触れた。
  •  「1次サプライヤーを追求し、パートナーとしての地位を確立できるよう努めてきた。現状の受注の柱は、測定機やカメラなど光学機器と半導体関連機器。いずれも加工部品単体ではなく、ユニットで請けることを基本としている」。
  •  単に取引者数を減少したのではなく、ユニット受注を追求しながら新規も加えた結果。加工総量も拡大してきた。
  •  「多品種に加え、1ロットが数百個単位と量も多い。千個、2千個、場合によっては数万個を数える時もある。顧客の生産が円滑に進むよう、お役に立てることが我々の仕事だが、加工技術だけでは差別化しづらくなってきているのも事実。Q・C・D(品質・価格・納期)を安定的に実現するように、不良率ゼロ、供給の連続性、そして海外生産に負けないコスト競争力の獲得を日頃から目指している」。
  •  顧客の設計、試作段階から関わり、相談に乗っているのも自然な流れになるだろうか。
  •  保有する工作機械はおよそ70台。直接、オペレートするスタッフは40人で、工程設計やCAMなどに従事するスタッフは20人という構成だ。
  •  「部品づくりは工作機械の仕事なので、極力、機械に働いてもらう。工程集約を基本にしているのは、できるだけ人の作業を省くため。工作機械の中でも、松浦機械の5軸加工機、オークマの複合加工機の活用が多く、ワーク着脱などのセットアップ、段取り替えは、できるだけ省人化を追求する」のが基本だ。
  •  ZOLLER Japanとの出会いは、まさに省段取り化を通じた省人化が「伏線」となっている。
  •  「ツール準備の外段取りをめぐる相談で、2016年のJIMTOFでZOLLER Japanブースを訪問した。ツールプリセッタ―を活用し、工具長や工具径を予め測定しておけば、機械を止めずに済む。ツールプリセッタ―を色々と調べてみたが、様々な種類、形状を持つ工具の測定に対応できるソフトを備えているツールプリセッターはZOLLERだけだった」と導入の経緯を語る。
  •  翌年の2017年には、ものづくり補助金を活用して『Smart Chech』(スマートチェック)を現場に据えた。
  •  現場の中島課長は「工具の検査、管理は一カ所で行うことが重要と考える」との持論を語りながら「スマートチェックの導入前は、ツール内段取り時間に平均75分費やしていたのが、何と4分30秒に。加工機の停止時間の革新的とも言える大幅短縮をもたらした」との直接、もたらされた絶大な効用に言及した。さらに、その結果として「プログラム製作、工具の研究に時間を割けられるようになり、『刃物交換マニュアル』に結実。パートの方でも対応できるようになった」との「副産物」も生まれたそうだ。
  •  外段取りを促す有力ツールとして、今後も、ツールプリセッタ―への期待は高いようだが中島課長からは「工具の寿命検査の自動化に取り組んでいただけるとありがたい」との要望が挙がった。

 

スマートチェック導入により、機械の停止時間が大幅に削減された(写真は中島課長)

スマートチェック導入により、機械の停止時間が大幅に削減された(写真は中島課長)