京滋中心に地域密着型、タナカ善ではプライベートブランドも展開
田中善隆タナカ善社長
京都市南区の住宅街にある本社ビル。黒を基調としたスタイリッシュな外観に社名を表すオレンジ色のアルファベットが映える。「オレンジと黒は、当社のイメージカラー」と、田中善隆社長はいう。
タナカ善は、京都市に本社、栗東市、彦根市、丹後市の京滋方面に加え、鹿児島県日置市に営業所・出張所を構える機械工具商社である。京滋方面を中心とし、南九州地方にも顧客があったため3年前に出張所を置いたそうだ。
同社は、オークマ代理店、DMG森精機販売店として、両社の機械を中心としつつ、他社メーカーの機械も扱う。工具は、大手から中小メーカーまで多数扱っている。5年前からプライベートブランド『TZシリーズ』を展開。エンドミル・ドリルを製造し、他社との差別化を図る。
決算月となる11月から半期を終え、上期の業績を伺うと、「過去最高」という答えが返ってきた。同社は、機械全体として、年間80~90台売り上げるという。「今後は、工具の比率も上げていきたい」と、田中社長は語る。
5月末には、7回目となる自社展示会『2016京滋マシン&ツールソリューション』を開催し、64社が出展。展示会では、タナカ善の各地域担当の営業社員がアテンドする。
田中社長は、自社展示会について、「来場者は約500名。展示会としての規模は小さい。しかし、この規模だからこそ、来場者と営業との間で濃密な話ができる」と述べた。
現在、機械と工具で同社商品の7割を占める。「当社は、切削工具、ツーリング、工作機械の供給はもとより、加工上の問題が発生した場合には、専門知識をもって問題の所在を発見し、対処する」と、自社の強み語る。
タナカ善は、1983年に親睦会、『虹の会』を結成。現在の会員数は約70社(ユーザー約50社、賛助会員としてメーカー約20社で構成)。年次総会をはじめ、講習会、研修会等の活動を通して、ユーザーとの信頼関係の構築、地域密着性の一層の強化を図る。
田中社長は現在40才。3代目として社長に就任したのは2011年、当時35才。最近は、同世代の経営者が増え情報交換や勉強会も活発化しているという。商社の面白さを伺うと、「エンドユーザー、問屋、メーカーという多様な人と関わることができ、その声を聞くことができる。商社の面白さは、ここにある」と、田中社長は語った。