フクダ精工がM30駆使し、精度アップ追求へ

フクダ精工株式会社

フクダ精工株式会社

牧野製MG30が現場で活躍し始めた

「試作が7月にできあがる」‐と切り出したのは、フクダ精工の岩崎秀明社長。導入した牧野フライス精機の「MG30」を駆使し、総研磨で仕上げていく方針だ。

「流通ルートで販売をかけていく新たな商材で、トライしていきたい。ラフィングエンドミルの製作が今、念頭にある。納期対応や精度、特にR精度をぐんと、上げていきたい」との意欲を語る。

決算の状況を把握するための訪問であったが、HPの更新を頻繁に行うようになったこと、そのための人材が育っていることなど、単なる数字ではない変化に、岩崎社長は顔をほころばせた。

「決算は黒字だったが、決して諸手を上げて喜べるような状況ではない。エンドミルやカッターの製作を長年、手がけてきたが、NC機の導入は、ヒトの育成をもにらんだ当社の新たな動きとして、今後、注目頂ければ」との決意を語る。

フクダ精工との付き合いは、「個人史」的には、すでに20年近くになる。当時、岩崎秀明社長は、営業部長の任に当たっており、筆者が業界入りした数日後にお邪魔し、メーカー初取材となった「張本人」だった。

「凡事徹底」と壁に立てかけられた額を取材の途中に眺めていた。非凡さは、まさに「凡事」とどのように向き合うか、その「徹底」の中にあるだろうな、と思いを馳せていたところ、岩崎社長から久しぶりに工場へ、と案内頂いた。

10年近く、工場に入ったことがなかったため、細かな比較はできないが、設備がかなり入れ替わっていた。もちろん、小さな積み重ねになるだろうが、「凡事」と向き合い「徹底」を目指して、日々重ねる努力。次回、紙面では、MG30をオペレートする若き技術者に取材を試みる予定だ。

フクダ精工工場内の様子