利益率リーマンショック前の水準に回復したダイジェット工業ー西日本特約店会でー

ダイジェット工業株式会社

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西日本ダイジェット特約店会に出席した各社代表

第17回西日本ダイジェット特約店会総会が6月17日ホテルグランヴィア大阪にて開催された。

開会挨拶に立った鳥津修会長(トリツ機工代表取締役社長)は、金属加工業界の厳しい現状と工具の苦戦を指摘しつつ、巻き返しを込めて新製品に期待を寄せた。

続いて、生悦住歩ダイジェット工業代表取締役社長は、熊本地震で被災された方々のお見舞いの言葉を述べた後、逆境から「雄々しく立ち上がるのが日本人」であることを強調。また、英国のEU離脱がもたらす日本経済への影響が懸念される中、一喜一憂することなく「やるべきことを粛々とやる」と語った。

 

売上高リーマンショック前の8割強まで回復

業績について、2016年3月期売上高は、リーマンショック前である2008年3月期売上高の8割強まで回復し、2016年3月期利益率は2008年3月期と遜色ない数字にまで回復したことが示された。

 

耐摩耗工具は事業部制を導入、生産技術主導で顧客満足を目指す

 

今後について、得意部門である金型用工具への投資、超硬合金の品質向上、新製品の投入を行いつつ、耐摩耗工具に関しては事業部制を導入し、生産技術主導による精度管理を行い、コスト・品質ともに顧客満足を図る。そして、特殊工具については、シェア回復を狙う等、今後の方針が明らかにされた。

 

営業社員を再教育、技術力を備えた営業社員を育成

最後に、営業部門の技術力を向上させるための再教育への取り組みをアピールし、ユーザーの要望等の情報提供を出席した会員に呼び掛けるなど、営業力強化を印象付けた。

古林雄一常務取締役は、切削工具、耐摩耗工具、超硬合金部門を三本柱とすることを確認した上で、今期の方針として、①営業力の強化、②新製品開発及び技術の強化、③生産性・収益性の向上を掲げた。切削工具は、需要家別の営業戦略をとり、得意分野の金型加工用工具に加え、ソリッド工具に注力し、穴あけ工具においては、EZドリルと新製品タイラードリルの拡販に向け「大手ユーザーの攻略が必須である」と述べた。また、耐摩耗工具においては、高精度・高機能金型の受注を強化し、「サーメタルで拡販を図る」と述べた。

堀滋営業部長からは、営業方針として、昨年好評であった全国キャンペーンの再度企画・実施の告知があり、人材育成については、時間と予算をかけて営業社員の技術面についての育成を図り、「全営業マンが立会い切削テストをできるよう育成する」と語った。

主な新製品として、70HRC高硬度材対応・4枚刃ソリッドボール『ワンカットボール70』、ソリッドモジュラーヘッド『アルミ用SヘッドSMAL形』、『ミラーボール用ジャイアントラジアスチップ』、そして座ぐり加工用ドリル『タイラードリル』TLD形が紹介された。