シーケィケーが中国工場移転。ピンポイント生産加速へ

CKK株式会社

CKK株式会社

澤田社長

  •  2020年は売り上げをキープしつつ、増益を目指す‐と語る澤田社長。
  •  「効率の向上をさらに一歩進めていく。マンパワーでは、社員数は自然減を伴いつつ、日本で5%減、中国で15%減という中で筋肉体質が整ってきた」そうだ。
  •  ニュースという括りでは、中国大連工場開設から12年が経過し、1月3日付で社名を「澤田精密刃具(大連)有限公司」に変更した。
  •  「自前の工場を売却し、同じ開発区内だが、新しい貸工場にこのほど移転。駅からも徒歩通勤が可能となり、バスの手配等、毎月の固定費に関わる費用を抑え込むと同時に、これまで量産志向だった工場をピンポイントに転換し、余分なものは購入しないという発想にも繋げていく。また、商社部門の立ち上げから2年、サービス強化に努めてきたことで、新規獲得とリピーターが増加し、厳しい環境下にある中国市場でも、ほぼ、横ばいを保ってきた」との経営手腕を発揮する。
  •  標準工具は3割程度で、専用工具に近い、ユーザー別にカスタマイズされた工具が7割を占めるに至っている。
  •  量よりも質への転換という点では、中国は3年前から、日本では2年前から取り組んできた。
  •  「日本では省人化は一貫したテーマだった。設備面でも、単なる増強ではなく、この点に配慮したい。今年は測定機関連の充実も視野に入れている。減収となっても増益となる体質作りを改めて志向し、設備機械の見直しを図るなかで、たとえば、20時間稼働を24時間稼働へと引き延ばし、利益重視を加速させていく考えだ」。
  •  マンパワーでは、中国やタイなど、グループ内での人の再配置を活かせるだろう。
  •  「タイの現状については新作工具の販売はマイナスを余儀なくされているが、再研磨部門は知名度がアップしてきたこともあり、ドリル、エンドミルを中心に3割アップと健闘している。タイの日本人マネージャーは、自らオペレーターとしても関わっており、長年の経験を活かした手腕が評価され、昨年からは大口案件も多数発生してきた」。
  •  ワルター機を2台、日本から移設し、増強を計画。同時に春以降にスワンナプーム空港近郊に移転を予定していると言う。
  •  2月から資本金を投入して、満を持して活動スタートさせるベトナム。
  •  「3月をめどに会社を設立させる計画。拠点はハノイに置く。すでに事務所の内装を終えており、本格的な人の手当てに着手していく。日本でも再研磨でフォローしている会社を手始めに、今後のベトナム市場の伸び代を期待しながら再研磨工場を運営していければ、と考えている」。 独自機械のプロトタイプが完成  最後に取材したのは、名古屋工業大学との産学連携の現状だ。
  •  「大学のワンフロアをお借りして、これまでにない工具づくりを進めていく。すでに独自機械のプロトタイプ機が完成を見ており、現在、調整中だ。4月にはシー・ケィ・ケー名工大事業部を発足させる計画」のようだ。
  •  常に現状を打破していく、様々な試みが次々と繰り出される。伸長する企業のモデルと言えようか。

 

移転を機にピンポイント生産が加速するようだ

移転を機にピンポイント生産が加速するようだ