ANCA Japan からMX7 ウルトラを披露。カスタマイズ可能な逸品
笠井さんはANCA-ブースで、MX7-ウルトラについて、アピールする予定だ。
7月から新たな期がスタートしたANCAジャパン(正式名称はANCA Machine Tools Japan)を訪問した。
板倉社長は「7月、8月は、おかげさまで直需体制がスタートした前期以上の受注を達成した。詳細は明らかにできないものの、この2カ月の平均は、2025年に目標としていた数字の月換算に匹敵する。受注の内訳では、リピーター75%、新規25%になる」と言う。
新規の内訳では自動車関連といった、エンドユーザーが目立つそうだ。
現在のジャパンは12人体制だが、年内までに7人の増員を予定し、今年中には19人体制を敷く計画。特にサービス要員の充実が図られる。
「オーストラリア本社には、日本は、(進出している)45か国の中の1か国という捉え方ではなく、品質の求め方では特異な位置を占めるということをアピールしている。そのためにも日本市場で結果を出していくことが重要になってくる」と板倉社長は本社に「ジャパンクォリティー」への関心を呼び込んでいる。
ANCAのタイ工場は、今では戦略上、極めて重要なポジションを占めるが、タイをはじめ、東南アジアでは、半数以上が日本企業と関わっており、この点からも、日本市場での評価は、文字通り、1か国に留まらない、普遍性を帯びてくるだろう。
さて、目前に迫りつつあるJIMTOFは、ANCAジャパン単独としては初の参加となる。4コマを確保し、アピールされるのは、米・IMTSでも披露された「MX7ウルトラ」と言う新製品だ。
「顧客からの求めに応じて、チューニングしていくことが可能な機種で、1台ずつ、仕様を異にすることができる。他社との差別化でベースとなる技術は、送りの制御。送りのピッチを細かくすることができるので工具の面粗度がぐんとアップしてくる。当社が制御装置を自前で作れるアドバンテージが最大限に活かされていると思っていただきたい」。
MX7ウルトラで製作された工具がルーペ付きで、セットされているキットを手にした。
「面粗度と言っても、写真では、なかなか表現が難しいレベル。ブースに足を運んでいただき、ルーペを手に取って、直接、その工具精度を体感いただければと思っている」。
キットに刻まれている文言を追えば「ナノメ―トル軸解像度の導入により、MX7ウルトラは、ボールノーズやラジアスエンドミルを含む、あらゆるプロファイルのラインフォーム精度を+-0・002ミリ以下に維持することを可能にする」とのことだ。
JIMTOF会期中は、シフトを組み、スタッフ全員が応対できるようにする。リアル展示会のメリットでもあろう。
MX7ウルトラによる工具加工事例がセットされているキット