2月末には量産対応のレーザードーピングマシンが完成。レーザードーピング技術を自社工具にも適用へーCKK。

C.K.K株式会社

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LD自動化設備

シー・ケィ・ケーの澤田社長を訪問し、工具の刃先硬化を通じて、長寿命化に貢献するLD(レーザードーピング)技術の最新情報を取材しつつ、日本をはじめ、中国、タイの現況をまとめてみた。

 名古屋工業大学との共同開発で注目される工具の長寿命化に貢献するLD(レーザードーピング)技術。シー・ケィ・ケーの新たな事業展開として、すでに特定ユーザー向けにφ1ミリ前後の小径ドリルやセンタードリルなどに適用され、3倍~30倍と言う工具の長寿命化に寄与している。
 澤田社長は「量産用のレーザードーピングマシンが2月末には、完成を見る。LD事業に着手して4年が経過するなか、いよいよ今春から弊社工具にも適用し、本格的に商品化に踏み切っていくことになる」。
 製造は愛知・半田市にあるシー・ケィ・ケー本社で行う。
 「自社生産用工具を含め、軸モノのハイスや超硬の工具のみならず、今後はインサートチップなどへの横展開も視野に入れていく。LDによって工具の寿命が伸びれば、工具交換時間を減らせるし、省人化にも通じていくうえ、加工スピードアップも狙えると思う」と澤田社長は期待する。
 シー・ケィ・ケーの業績は、昨年10月で底を打ち、徐々に回復傾向を辿ってきたと言う。
 「国内は2年間に及ぶ工具研削盤や測定機などへの設備投資や自動化によって、生産体制はとしては、従来の50%以上の能力を獲得。売り上げよりも利益率確保に従来よりもさらにシフトしていきたい。当面の需要として期待したいのは半導体産業だ」。
 海外動向では中国とタイに触れてもらった。
 「中国・大連工場では、今春前までに工具のコーティングも自前で行えるよう準備を進めている。研磨+コーティング機能を備えた工場として、短納期化にも直結する強みを発揮させていきたい。1月から本格稼働に入っている」「中国・蘇州では、ワルターなどの工具研削盤を移設し、営業体制を強化。再研磨のみならず、工具製造にも着手している」。
 また「タイでは再研磨で実績を積み上げることで製造工具への需要を喚起、ニーズを汲み取るなかで受注に結び付け、売り上げは、高水準をキープしている。キーとなるのは品質の安定だ」。
 国内は従来比50%以上の生産体制確立、中国は研磨+コーティングによる差別化、タイは再研磨と工具製造のシナジーで、中長期を展望する。
 「LD事業で弾みがついてくれば、工具ばかりか、クランプ治具等にも適用範囲を広げていき、次なる目標として、分社化も視野に入れ、レーザー事業部門の確立を考えていきたい」。